この記事の監修者
久保木彰一
ワイズ製薬株式会社 薬剤師
昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
脂漏性皮膚炎の症状があるときは、シャンプーブラシ(頭皮ブラシ)の使用は基本的に控えるのが無難です。摩擦で頭皮が傷つきやすく、やさしい手洗いが安心です。
この記事の結論
- 脂漏性皮膚炎の症状があるときは、シャンプーブラシ(頭皮ブラシ)の使用は基本的に控えるのが無難とされています。
- 摩擦で頭皮が傷つきやすく、やさしい手洗いが安心と考えられています。
- 気持ちよさよりも刺激を減らすことを優先し、指の腹でやさしく洗うのが基本です。
こんな人に
- 頭皮のフケやかゆみが気になり、すっきり洗いたい方
- シャンプーブラシを使ってよいか迷っている方
- 脂漏性皮膚炎で頭皮がデリケートになっていると感じる方
- 道具に頼らないやさしい洗髪のコツを知りたい方
シャンプーブラシは使ってよい?(結論と理由)
症状があるときは基本的に使用を推奨しないと考えられています。健康な頭皮でも傷がつくことがあり、頭皮が一時的に弱くなっている発症時は影響を受けやすいため、手でやさしく洗うのが無難です。
頭皮をすっきり洗えるイメージのあるシャンプーブラシ(頭皮ブラシ)ですが、脂漏性皮膚炎の症状があるときは基本的に使用を推奨しないと考えられています。理由はシンプルで、ブラシによる刺激が頭皮の負担になりやすいためです。
脂漏性皮膚炎を発症していない健康な頭皮の人でも、相当うまく力加減を調整しないと、シャンプーブラシで頭皮に傷がついてしまうことがあります。まして、一時的に頭皮が弱くなっている脂漏性皮膚炎の発症時は、その影響を受けやすい状態です。だからこそ、症状があるあいだは「ブラシで洗う」よりも「手でやさしく洗う」を基本に切り替えるのが無難といえます。
「便利だから使ってはいけない」という話ではなく、頭皮のコンディションが整っていないタイミングでは、あえて刺激源を減らしておこう、という考え方です。
なぜ頭皮の「摩擦」が大敵なのか
ゴシゴシとする刺激(摩擦)はデリケートな頭皮にとって大敵といえます。ブラシは一点に圧力がかかりやすく力加減の調整が難しいため、手のひらと指の腹のほうが繊細に調整しやすいとされています。
脂漏性皮膚炎の発症時に避けたいのが、「ゴシゴシとする刺激(摩擦)」です。摩擦は、デリケートになっている頭皮にとって大敵といえます。フケやかゆみが気になると、つい力を入れてこすり落としたくなりますが、その強い刺激がかえって頭皮の状態を乱す一因になりかねません。
大切なのは、やさしく、マッサージするように手で洗うこと。フケは無理に落とそうとしなくても、きちんと洗えば自然に落ちていきます。「しっかりこすらないと汚れが取れない」と感じるかもしれませんが、必要なのは力ではなく、ていねいさです。
シャンプーブラシは、構造上どうしても一点に圧力がかかりやすく、力加減のコントロールが難しい道具です。摩擦をできるだけ減らしたい時期には、手のひらと指の腹のほうが繊細に調整しやすい、という点も覚えておくとよいでしょう。
ブラシの代わりに——やさしい手洗いのコツ
ぬるめのお湯(36〜40℃)で洗う、予洗いをする、指の腹でマッサージするように洗う、フケは無理に落とそうとしない、洗ったあとはしっかり乾かす、という基本で頭皮は清潔に保てます。
シャンプーブラシを手放しても、正しい洗い方を押さえれば頭皮はきちんと清潔に保てます。次のチェックリストを意識してみてください。
- ぬるめのお湯(36〜40℃)で洗う……熱すぎるお湯は刺激になりやすいため、体温に近いぬるめが目安です。
- まずは予洗いをする……シャンプー前にお湯で髪と頭皮を流すことで、汚れの多くが落ち、こすらずに済みます。
- 指の腹でマッサージするように洗う……爪を立てず、指の腹で円を描くようにやさしく。手で洗うのが基本です。
- フケは無理に落とそうとしない……きちんと洗えば自然に落ちます。こすり落とそうとしないことが大切です。
- 洗ったあとはしっかり乾かす……濡れたまま放置せず、頭皮までしっかり乾かして清潔な状態を保ちましょう。
道具に頼らなくても、この基本を守るだけで頭皮への負担はぐっと減らせます。
それでも使いたい場合の注意
どうしても使う場合は、力を入れずそっと滑らせる、使う前後で赤みやかゆみの変化を確認する、傷や赤みがあるときは使わない、が前提です。少しでも不安があれば使わない選択が安心です。
習慣としてシャンプーブラシを使っていて、どうしても手放しにくいという場合もあるかもしれません。その際は、次の点に十分注意してください。
- 力を入れない……頭皮に押し当てず、ブラシをそっと滑らせる程度にとどめます。圧をかけるほど傷のリスクは高まります。
- 頭皮の状態をよく見る……使う前後で、赤みやヒリつき、かゆみの変化がないか確認しましょう。違和感があれば中止が無難です。
- 傷や赤みがあるときは使わない……すでに頭皮が荒れている・赤みがあるときは、刺激を避けて手洗いに切り替えてください。
あくまで「症状が落ち着いていて、ごく軽い力で扱える場合に限る」という前提です。少しでも不安があるときは、使わない選択のほうが安心です。
脂漏性皮膚炎の発症時は、頭皮が一時的に弱くなっています。気持ちよさよりも「刺激を減らす」を優先し、指の腹でやさしく洗うことを基本にしてください。フケは無理に落とさなくても、ていねいに洗えば自然に落ちていきます。
あわせて読みたい:脂漏性皮膚炎におすすめのシャンプー|成分で選ぶ正しい選び方
あわせて読みたい:シャンプーのお湯の温度は何度?熱いお湯と頭皮の関係
あわせて読みたい:皮膚科の頭皮所見評価とは|鱗屑・炎症・皮脂・IGA/PGAの見方
あわせて読みたい:頭皮のマラセチア菌は検査でどう調べる?|真菌検査の基礎
あわせて読みたい:脂漏性皮膚炎でやってはいけない洗髪|正しいシャンプーの手順
あわせて読みたい:脂漏性皮膚炎にシャンプーはどう選ぶ?正しい選び方と使い方
よくある質問
Q. シリコン製のやわらかいブラシならOKですか?
A. やわらかい素材でも、頭皮に圧をかければ摩擦は生じます。症状があるあいだは素材を問わず基本的に控え、手洗いを優先するのが無難です。
Q. ブラシのほうが毛穴の汚れがしっかり落ちる気がします。
A. きちんと予洗いをして指の腹でやさしく洗えば、必要な汚れは手洗いでも落とせます。フケや汚れは無理にこすり落とさなくても、ていねいに洗えば自然に落ちていきます。
Q. かゆいときにブラシでかきたくなります。
A. かゆいからとブラシでこするのは、摩擦を増やしてしまうため避けたいところです。かゆみが強いときは刺激を加えず、症状が続く場合は皮膚科などの医療機関に相談しましょう。
Q. フケ対策にシャンプーブラシは有効ですか?
A. フケを物理的にこすり落とそうとすると、かえって頭皮への摩擦が増えてしまいます。フケは無理に落とそうとせず、ぬるめのお湯でやさしく洗うことを基本にしてください。
Q. 電動の頭皮ブラシならどうですか?
A. 電動タイプも頭皮に刺激が加わる点は同じで、力加減の調整はかえって難しい面もあります。症状があるときは基本的に控えるのが無難です。
Q. 子どもや家族が使うのは問題ありませんか?
A. 脂漏性皮膚炎を発症していない人でも、力加減を誤ると頭皮に傷がつくことがあります。だれが使う場合でも、ごく軽い力でやさしく、というのが基本です。頭皮の弱い方は特に注意してください。
Q. 手洗いのときのお湯の温度はどれくらいがよいですか?
A. 体温に近い36〜40℃のぬるめが目安です。熱すぎるお湯は刺激になりやすいとされているため、ぬるめのお湯でやさしく洗い、シャンプー前の予洗いで汚れの多くを落としておくとこすらずに済みます。
Q. 洗ったあとに気をつけることはありますか?
A. 濡れたまま放置せず、頭皮までしっかり乾かして清潔な状態を保つことが大切です。やさしく洗いしっかり乾かすという基本を守るだけでも、頭皮への負担を減らせると考えられています。
あなたの症状、セルフチェックしてみませんか?