この記事の監修者
久保木彰一
ワイズ製薬株式会社 薬剤師
昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
脂漏性皮膚炎の方は、頭皮に負担の大きいカラーリングやパーマは可能なら避けたいとされています。やむを得ず行う場合は、低刺激の成分を選び、パッチテストや時間厳守などの注意点を守ることが大切です。
まず知りたい3ポイント
可能なら避けたいとされている
カラーリングやパーマは頭皮への負担が大きいため、脂漏性皮膚炎の症状があるときは可能なら避けたいとされています。
基本
ジアミン系・アルカリは刺激が強い傾向
酸化染料(ジアミン系)やアルカリ、パーマ剤のチオグリコール酸などは刺激が強いとされ、成分表示の確認が目安になります。
成分
行うならパッチテストと時間厳守
やむを得ず行う場合は、体調の良いときを選び、パッチテストや時間厳守などの注意点を守ることが大切です。
注意点
1分でわかる要約
- 脂漏性皮膚炎の方は、頭皮に負担の大きいカラーリングやパーマは可能なら避けたいとされています。
- 酸化染料(ジアミン系)やアルカリ、パーマ剤のチオグリコール酸などは刺激が強いとされ、低刺激の成分を選ぶ目安になります。
- やむを得ず行う場合は、パッチテストや時間厳守などの注意点を守り、症状が続くときは皮膚科に相談しましょう。
なぜカラーリング・パーマは避けたいのか
カラーリングは頭髪・頭皮の両方に大きな負担をかけ、発症のきっかけになったケースも報告されており、パーマも刺激の強い成分を含むため避けた方がよいとされています。
脂漏性皮膚炎の症状があるとき、ヘアカラーやパーマは可能なら避けたいとされています。書籍『脂漏性皮膚炎の治し方』(薬剤師・久保木彰一著)でも、カラーリングやパーマは頭皮への負担が大きいため、できれば控えたいと説明されています。
特にカラーリングは、頭髪と頭皮の両方に大きな負担をかけるとされています。実際に、脂漏性皮膚炎の発症のきっかけがカラーリングだったというケースも報告されているようです。すでに頭皮にトラブルを抱えている状態では、こうした刺激がさらに症状を悪化させる可能性が考えられます。
パーマについても同様で、使用される薬剤に刺激の強い成分が含まれることが多いため、避けた方がよいとされています。まずは「本当に今、染めたり・かけたりする必要があるか」を一度立ち止まって考えることが、頭皮を守る第一歩になります。
カラーリングが頭皮に与える刺激
酸化染料(ジアミン系)はアレルギー反応の原因になることがあり、アルカリや界面活性剤も刺激要因となるほか、反応による症状は脂漏性皮膚炎と見分けにくい場合があります。
酸化染料とアレルギー反応
一般的なカラーリング剤には、酸化染料と呼ばれる成分が多く含まれているとされています。この酸化染料は、皮膚のアレルギー反応の原因になることがあると指摘されています。さらにカラーリング剤にはアルカリも含まれており、これが頭皮に強い刺激を与えるとされています。
刺激が強いとされる酸化染料には、パラフェニレンジアミン、トルエン2,5ジアミン、パラアミノフェノールなどがあります。特に「ジアミン」という名前が付く成分は、刺激が強い傾向にあるとされています。また、こうした製品には界面活性剤が含まれているものも多く、複数の刺激要因が重なりやすい点に注意が必要です。
脂漏性皮膚炎に似た症状に注意
カラーリング剤によるアレルギー反応が起こると、かゆみ、フケ、赤い斑点といった症状が出ることがあるとされています。これらは脂漏性皮膚炎によく似た症状であるため、見分けがつきにくい場合があります。
そのため、染めた後に頭皮の不調を感じたときは、それが脂漏性皮膚炎の悪化なのか、カラーリング剤による反応なのかを自己判断で決めつけないことが大切です。症状が続く・強い場合は、皮膚科などの医療機関に相談することがすすめられます。
避けたい成分・選ぶときの目安
カラーは酸化染料を含まないタイプ、パーマはシステイン・システアミンや酸性タイプが比較的低刺激とされ、製品選びや美容師への相談の参考になります。
どうしてもカラーリングやパーマを行う場合は、含まれる成分に目を向けることが一つの目安になります。一般的に刺激が強いとされる成分と、比較的低刺激とされる成分を、以下の表に整理しました。
| 区分 | 刺激が強いとされる成分 | 比較的低刺激とされる成分 |
|---|---|---|
| カラーリング | 酸化染料(パラフェニレンジアミン/トルエン2,5ジアミン/パラアミノフェノールなど「ジアミン」系)、アルカリ | 酸化染料を含まないタイプを検討(成分表示を確認) |
| パーマ | チオグリコール酸など、アルカリ剤 | システイン、システアミン、酸性タイプ |
パーマ剤には、チオグリコール酸などの刺激の強い成分やアルカリ剤が含まれる製品が多いとされています。一方で「システイン」「システアミン」は比較的低刺激とされ、酸性タイプは頭皮への刺激が低い傾向にあるとされています。製品を選ぶ際や美容師に相談する際の、一つの参考にしてみてください。
どうしても染めたいときの4つの注意点
体調不良・症状が激しい時は見送る、パッチテストを実施する、薬剤を頭皮に直接つけない、時間を守ってぬるま湯で洗い流す、の4点を意識するとよいとされています。
やむを得ずカラーリングを行う場合は、頭皮への負担を少しでも減らすために、以下のポイントを意識するとよいとされています。
- 体調不良時・症状が激しい時は見送る:体調がすぐれないときや、脂漏性皮膚炎の症状が激しいときは、無理をせず日を改めましょう。
- 必ずパッチテストを実施する:染める前に、肌に薬剤を少量つけてアレルギー反応が出ないかを確認します。
- 薬剤が頭皮に直接接触しないようにする:根元ぎりぎりまで塗らないなど、頭皮への直接の付着を避ける工夫をします。
- 時間を守ってぬるま湯で洗い落とす:規定の染髪時間を迎えたら、それ以上待たずにぬるま湯で薬剤を洗い流します。
おしゃれや白髪のケアをあきらめたくないお気持ちは、とてもよくわかります。だからこそ、頭皮の調子が良いタイミングを選び、成分や手順に少し気を配ることで、リスクをできるだけ抑えていきましょう。
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よくある質問
Q. 脂漏性皮膚炎でもカラーリングして大丈夫ですか?
A. 可能なら避けたいとされています。カラーリングは頭髪・頭皮に大きな負担をかけ、発症のきっかけになったケースも報告されているためです。どうしても行う場合は、低刺激の選択や注意点を守ることが大切です。
Q. 白髪染めも同じように注意が必要ですか?
A. 白髪染めにも酸化染料やアルカリが含まれることが多く、同様に頭皮への刺激が考えられます。成分表示を確認し、体調や症状が落ち着いているタイミングを選ぶとよいとされています。
Q. 美容院では何を伝えればよいですか?
A. 脂漏性皮膚炎などで頭皮が敏感であることを事前に伝えるとよいでしょう。そのうえで、低刺激の薬剤や、頭皮に直接つけない塗り方などを相談すると、配慮してもらいやすくなります。
Q. カラートリートメントなら頭皮にやさしいですか?
A. 製品によって配合成分は異なります。「やさしい」と断定はできないため、酸化染料やアルカリの有無など成分表示を確認し、心配なときはパッチテストを行うと安心です。
Q. パーマはカラーリングよりOKですか?
A. パーマも避けた方がよいとされています。パーマ剤には刺激の強いチオグリコール酸などやアルカリ剤が含まれる製品が多いためです。行う場合は、システイン・システアミンや酸性タイプなど比較的低刺激のものを検討するとよいとされています。
Q. パッチテストはどうやって行いますか?
A. 一般的には、使用する薬剤を腕の内側などに少量つけ、一定時間おいて、かゆみ・赤み・かぶれなどの反応が出ないかを確認します。製品ごとに方法が示されているため、必ず説明書きに従って実施してください。
Q. 染めた後に頭皮がかゆくなりました。脂漏性皮膚炎の悪化でしょうか?
A. カラーリング剤のアレルギー反応でも、かゆみ・フケ・赤い斑点といった脂漏性皮膚炎に似た症状が出ることがあるとされています。自己判断で決めつけず、症状が続く・強い場合は皮膚科などの医療機関に相談することがすすめられます。
Q. 症状が落ち着いていればカラーリングしてもよいですか?
A. どうしても行う場合は、頭皮の調子が良いタイミングを選ぶことが一つの目安とされています。あわせて低刺激の成分を選び、頭皮に直接つけない、時間を守って洗い流すなどの注意点を意識すると、負担を抑えやすくなります。
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