この記事の監修者
久保木彰一
ワイズ製薬株式会社 薬剤師
昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
脂漏性皮膚炎のケアでは免疫とメンタルの安定も大切とされます。ビタミンD・セロトニンを意識し、朝の散歩・リズム運動・腸活を生活に取り入れる方法を紹介します。
免疫とメンタルから脂漏性皮膚炎を整える
脂漏性皮膚炎は、皮脂やマラセチア菌、生活習慣などさまざまな要因が関わるとされる皮膚トラブルです。書籍『脂漏性皮膚炎の治し方』では、症状の改善を目指すうえで「免疫力の低下を防ぐこと」も重要な視点のひとつとして挙げられています。
免疫のはたらきは、睡眠不足や強いストレス、栄養の偏りなどで揺らぎやすいと考えられています。そのため、外側のスキンケアだけでなく、体の内側、とりわけ免疫やメンタルの面から整えるアプローチを並行して意識することがすすめられています。
この記事では、その鍵となる「ビタミンD」と「セロトニン」に注目し、食事・日光・運動・腸活という生活習慣からどう取り入れていけるかを、書籍の内容にそって整理します。いずれも特別なものではなく、日々の暮らしの中で無理なく続けやすい工夫が中心です。
ビタミンDの役割と摂り方
ビタミンDとは
ビタミンDは、体のはたらきを支える栄養素のひとつです。書籍によると、炎症を抑制して免疫機能を調整し、感染症への抵抗力を高めることが期待される栄養素とされています。さらに、精神的ストレスを軽減するとされる「セロトニン」の分泌を促すはたらきもあると紹介されています。
つまりビタミンDは、免疫とメンタルの両面に関わりうる栄養素として位置づけられており、脂漏性皮膚炎のケアを内側から支える存在として注目されています。ただし、栄養素は単体で効果が約束されるものではなく、あくまでバランスのよい食事と生活習慣の一部として考えることが大切です。
多く含む食材(マグロ・カツオ・貝・きのこ)
ビタミンDは、毎日の食事から取り入れることができます。書籍では、ビタミンDが豊富な食材として次のものが紹介されています。
- 海産物:マグロ、カツオ、貝類など
- きのこ類:しいたけ、まいたけ、しめじなど
魚ときのこを組み合わせれば、普段の和食の献立に自然に取り入れやすくなります。たとえばカツオのたたきにきのこの和え物を添える、マグロの刺身ときのこの味噌汁を合わせるなど、特別な準備をしなくても続けやすいのが利点です。一つの食材に頼りすぎず、いろいろな食品から少しずつ取り入れることを意識してみましょう。
日光で増やす(朝の散歩)
ビタミンDは、食事だけでなく日光からも増やせる点が特徴です。書籍では、日光(紫外線)を浴びることで体内での生成が促進されるため、日中の散歩や運動が有効とされています。
そこでおすすめされているのが、朝の散歩です。屋外を歩くことで自然と日光を浴びられ、同時に体を動かすこともできます。通勤や通学の一部を歩く、近所をひと回りするといった気軽な形でも構いません。日光を浴びる習慣は、後述するセロトニンの分泌とも関わると考えられており、生活に取り入れやすい工夫のひとつです。
セロトニンを増やす
セロトニンとは
セロトニンは、脳内で働く物質のひとつです。書籍によると、セロトニンが分泌されると、精神的な安定、睡眠の質の向上、集中力の増強といった面が期待されると紹介されています。
脂漏性皮膚炎はストレスや睡眠の乱れと関わることがあるとも言われており、こうしたメンタル面を整えることは、間接的に肌のコンディションを支える可能性があります。だからこそ、セロトニンを意識した生活習慣が、内側からのケアとして注目されています。
リズム運動
セロトニンは、主に運動によって分泌されるとされています。書籍では、特に簡単な動作を繰り返す「リズム性運動(リズム運動)」で多く分泌されると紹介されています。
リズム運動の代表例が、散歩やウォーキングです。一定のテンポで歩く動作は、まさにリズム運動にあたります。さらに、食事のときの咀嚼(よく噛むこと)も、リズム運動のひとつとして挙げられています。激しい運動が苦手な人でも、歩く・よく噛むといった日常の動作からなら取り入れやすいでしょう。無理なく続けられる範囲で、リズムのある動きを意識してみることがすすめられています。
腸活(90%が腸由来・腸を温める)
セロトニンを増やすうえで、書籍では「腸活」も有効だと紹介されています。その理由は、体内で生成されるセロトニンの90%以上が腸に由来するとされているためです。腸の状態を整えることが、結果的にセロトニンにも関わると考えられています。
腸を健康に保つためのポイントとして、書籍では「温めること」が挙げられています。具体的には次のような工夫です。
- 白湯(さゆ)を飲む
- 腹巻きなどでお腹を温める
- 冷たい飲み物を避ける
いずれも今日から始めやすい習慣です。とくに朝の一杯を冷たい飲み物から白湯に切り替えるだけでも、腸を冷やさない工夫の第一歩になります。
朝の散歩が一石二鳥(日光×運動)と紫外線対策の両立
ここまで見てきたビタミンDとセロトニンには、共通して「日光」と「運動」というキーワードが関わっています。そこで書籍がすすめているのが、朝に散歩・ウォーキングする習慣です。
朝の散歩を習慣にすれば、日光を浴びることと体を動かすことを同時にクリアでき、より多くのビタミンD・セロトニンが得られると紹介されています。免疫とメンタルの両面に関わる二つを、一度の散歩でまとめて意識できるのが大きな利点です。
ただし、日光の浴びすぎには注意も必要です。書籍では、夏場の強い紫外線は皮脂を脂肪酸に変え、脂漏性皮膚炎の悪化要因になることもあると指摘されています。つまり、適度な日光と紫外線対策のバランスが大切だということです。日差しの強い時間帯や季節には、日陰を選ぶ、帽子や日焼け止めを活用するなどの紫外線対策を取り入れながら、無理のない範囲で日光を取り入れていきましょう。
ビタミンDやセロトニンは「これさえ摂れば治る」というものではなく、免疫とメンタルを内側から支える土台づくりの一部です。朝の散歩で日光と運動を、食事ときのこ・魚で栄養を、白湯で腸を温める。こうした小さな習慣を、紫外線対策とのバランスをとりながら無理なく続けていくことが大切です。
よくある質問
ビタミンDは何で摂ればいいですか?
書籍では、マグロ・カツオ・貝類などの海産物や、しいたけ・まいたけといったきのこ類に豊富とされています。あわせて、日光(紫外線)を浴びることでも体内での生成が促されるとされているため、食事と日光の両面から取り入れるのがよいと考えられます。
サプリメントで摂ってもいいですか?
本記事で紹介しているのは、書籍にもとづく食事・日光・運動・腸活といった生活習慣の工夫です。サプリメントの利用については効果や必要量を一律にお伝えできるものではなく、持病や服薬状況によって注意が必要な場合もあります。気になる場合は、自己判断せず医師や薬剤師にご相談ください。
日光はどれくらい浴びればいいですか?
書籍では具体的な分数までは定められていませんが、「適度」がキーワードとされています。日中の散歩や運動の中で自然に浴びる程度を目安にし、とくに夏場の強い紫外線は悪化要因になることもあるため、浴びすぎには注意して紫外線対策とのバランスをとることがすすめられています。
腸活は具体的に何をすればいいですか?
書籍では、腸を「温める」ことがポイントとして挙げられています。具体的には、白湯を飲む、腹巻きなどでお腹を温める、冷たい飲み物を避ける、といった工夫です。まずは朝の一杯を白湯に変えるなど、できることから始めてみましょう。
運動が苦手でもセロトニンは増やせますか?
セロトニンは、簡単な動作を繰り返す「リズム運動」で多く分泌されるとされています。散歩やウォーキングのほか、食事のときによく噛む(咀嚼)こともリズム運動の一つです。激しい運動でなくても、歩く・よく噛むといった日常動作から無理なく取り入れられます。
紫外線は浴びすぎるとよくないのですか?
はい、注意が必要とされています。書籍では、夏場の強い紫外線は皮脂を脂肪酸に変え、脂漏性皮膚炎の悪化要因になることもあると指摘されています。ビタミンD生成のために適度な日光は役立つ一方で、浴びすぎないよう紫外線対策とのバランスをとることが大切です。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療に代わるものではありません。症状が続く・強い場合や不安があるときは、自己判断せず皮膚科などの医療機関にご相談ください。