頭皮がベタつくと、「皮脂を抑えるサプリはないか」「食事を変えれば減るのか」と考える方は少なくありません。一方で、皮脂の量は体質やホルモン、年齢などが関わって決まる部分が大きく、意図的に減らすことは簡単ではありません。この記事では、頭皮の皮脂について「できること」と「むずかしいこと」を切り分けて整理します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療の代替となるものではありません。症状が続く・悪化する場合は皮膚科を受診してください。
この記事の要点
- 皮脂の量は体質・ホルモン・年齢などが関わり、自在に調整できるものではありません。
- 「皮脂を抑えるサプリ」で皮脂の分泌量そのものを下げられるという確かな裏づけはありません。
- 一方で、洗いすぎを見直す・生活リズムを整えるといった現実的にできることはあります。
- 皮脂を取りすぎると、かえってベタつきやかゆみにつながることがあります。
- ベタつきに赤み・フケ・かゆみが伴う場合は、皮脂対策より先に皮膚科で相談するほうが近道です。
こんな人に
- 頭皮のベタつきが気になり、皮脂を減らす方法を探している方
- 皮脂を抑えるサプリを試すか迷っている方
- 洗う回数を増やしたのに改善しない方
- ベタつきと一緒に赤みやフケも出ている方
皮脂そのものの働きは「皮脂と脂漏性皮膚炎の関係」、食事との関わりは「脂漏性皮膚炎と食事」で解説しています。
皮脂の量は何で決まるのか
皮脂の分泌は体質・ホルモン・年齢・季節などが関わります。誰でも同じ方法で減らせるものではありません。
皮脂は皮脂腺から分泌され、皮膚を乾燥や刺激から守る役割を持っています。分泌量には生まれつきの傾向があり、ホルモンの影響を受けます。一般に思春期以降に多くなり、加齢とともに減る傾向があります。[1,2]また気温や湿度によっても変動します。
つまり皮脂の量は、食事やケアだけで決まっているわけではありません。「皮脂が多い=洗い方が足りない」と考えて洗浄を強めても、思ったような結果にならないことがあります。ホルモンとの関わりは「男性ホルモンと脂漏性皮膚炎」「女性ホルモンと脂漏性皮膚炎」もあわせてご覧ください。

サプリで皮脂は抑えられるのか
皮脂の分泌量そのものをサプリで下げられるという確かな裏づけはありません。栄養は不足を補う位置づけです。
「皮脂を抑える」とうたう食品やサプリメントを見かけることがあります。ただし、サプリの摂取によって頭皮の皮脂の分泌量そのものが下がると確認されているわけではありません。ビタミンBなどの栄養素は皮膚の健康に関わりますが、それは不足している場合に補うという位置づけであり、多く摂れば皮脂が減るというものではありません。
ビタミンBについては「脂漏性皮膚炎とビタミンB」、亜鉛については「脂漏性皮膚炎と亜鉛の関係」で整理しています。サプリだけで症状が解決するという考え方には、医師調査でも慎重な見方が示されています。医師50名調査もあわせてご覧ください。
洗いすぎは逆効果になることがある
皮脂を取りすぎると乾燥や刺激につながり、ベタつきやかゆみが続くことがあります。
ベタつきが気になると、洗う回数を増やしたり洗浄力の強いものを選んだりしがちです。しかし皮脂を必要以上に取り除くと、頭皮が乾燥して刺激を受けやすくなり、かゆみやフケにつながることがあります。結果として「洗っているのにベタつく」と感じる状態が続くこともあります。
洗い方の見直しは「やってはいけない洗髪」「シャンプーのお湯の温度」が参考になります。洗浄成分の考え方は「洗浄成分の基礎」で解説しています。

現実的にできること
皮脂を減らすより、頭皮の状態を荒らさないことを目標にするほうが現実的です。
皮脂の量そのものを大きく変えるのは簡単ではありません。そのため、目標を「皮脂を減らす」から「頭皮の状態を荒らさない」に置き換えると、取り組みやすくなります。具体的には次のような内容です。
- 洗う回数を増やしすぎない。1日1回を目安に、ぬるめのお湯でやさしく洗う
- すすぎ残しをなくす。生え際や耳のうしろまで丁寧に流す
- 睡眠・食事・ストレスなど生活リズムを整える
- 整髪料やオイルを頭皮に直接つけない
生活習慣との関わりは「脂漏性皮膚炎と生活習慣」で詳しく扱っています。
ベタつきに赤みやフケが伴うとき
赤み・フケ・かゆみを伴う場合は、皮脂対策より先に皮膚科で相談するほうが近道です。
単なるベタつきではなく、赤み・フケ・かゆみを伴う場合は、脂漏性皮膚炎などの皮膚の状態が関わっていることがあります。その場合、皮脂を減らす工夫を続けるより、皮膚科で状態を確認してもらうほうが早く整理がつきます。次のような場合は受診を検討してください。
- ベタつきに加えて、赤みやフケ、かゆみがある
- 市販のシャンプーを変えても2週間ほどで変化がない
- 掻いて傷ができる、じゅくじゅくしている
症状の見分けは「脂漏性皮膚炎のセルフチェック」、治療の流れは「脂漏性皮膚炎の治し方」をご覧ください。
よくある質問
Q. 皮脂を抑えるサプリは効果がありますか?
A. サプリで頭皮の皮脂の分泌量そのものが下がると確認されているわけではありません。ビタミンBなどの栄養素は不足を補う位置づけで、多く摂れば皮脂が減るというものではありません。
Q. 食事を変えれば皮脂は減りますか?
A. バランスのよい食事は皮膚の健康に役立ちますが、食事だけで皮脂の量を大きく変えるのはむずかしいと考えられます。特定の食品を避ければ必ず改善するというものでもありません。
Q. 1日に何回洗えばいいですか?
A. 一般には1日1回が目安です。回数を増やして皮脂を取りすぎると、乾燥や刺激からかゆみ・フケにつながることがあります。ぬるめのお湯でやさしく洗い、すすぎ残しを防ぐことが大切です。
Q. 洗浄力の強いシャンプーのほうがいいですか?
A. 必ずしもそうではありません。洗浄力が強いと皮脂を取りすぎ、かえって頭皮の状態を荒らすことがあります。つっぱりやかゆみが出る場合は、洗浄力を見直すことを検討してください。
Q. どのタイミングで受診すればいいですか?
A. ベタつきに赤み・フケ・かゆみが伴う場合や、ケアを2週間ほど続けても変化がない場合は、皮膚科で相談してください。皮脂対策を続けるより早く整理がつくことがあります。
参考文献
- DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis
- Borda LJ, Wikramanayake TC. Seborrheic Dermatitis and Dandruff: A Comprehensive Review. J Clin Investig Dermatol. 2015. PMID: 27148560. PMC4852869
- American Academy of Dermatology. Seborrheic dermatitis: Overview. aad.org
本記事は医学文献および公的情報をもとに編集部が作成しています。医師監修完了後、監修者情報を掲載します。
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