高齢者・シニアの脂漏性皮膚炎|特徴・関連する要因とケアの配慮

高齢者・シニアの脂漏性皮膚炎を解説する記事のアイキャッチ
症状から探す2026.08.20 公開 / 2026.08.21 更新

脂漏性皮膚炎は若い世代だけの症状ではなく、高齢の方にもみられます。加齢とともに皮脂は減る傾向がありますが、それでも脂漏性皮膚炎が起こることがあり、乾燥(皮脂欠乏)と重なって症状が分かりにくくなることもあります。この記事では、高齢者・シニアの脂漏性皮膚炎の特徴・関連が指摘される要因・ケアの配慮と受診の目安を、ご本人やご家族・介護をする方に向けて整理します。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療の代替となるものではありません。持病や服用中の薬がある方は自己判断を避け、医師・薬剤師に相談してください。症状が続く・悪化する場合は皮膚科を受診してください。

この記事の要点

  • 脂漏性皮膚炎は高齢の方にもみられ、加齢で皮脂が減る傾向でも起こることがあります。
  • 神経の病気(パーキンソン病など)や免疫の低下などとの関連が報告されています。
  • 乾燥(皮脂欠乏)と重なりやすく、症状が分かりにくいことがあります。
  • 熱すぎないお湯でやさしく洗う・低刺激で保湿する・掻いて傷つけない配慮が大切です。
  • 持病や薬がある方は自己判断を避け、続く・悪化する場合は皮膚科を受診しましょう。

こんな人に

  • 高齢のご家族の頭皮・顔の赤みやフケが気になる方
  • 介護の中で肌のケアに配慮したい方
  • 乾燥と脂漏性皮膚炎の見分けを知りたい方
  • 持病がある中でのケアの注意点を知りたい方

脂漏性皮膚炎の原因は「脂漏性皮膚炎の原因とは?」、経過の目安は「治るまでの期間の目安」で解説しています。

高齢者にもみられる脂漏性皮膚炎

この章の要点

加齢で皮脂は減る傾向でも、脂漏性皮膚炎はみられます。頭皮・顔(小鼻・眉間)などに赤みやフケが出ることがあります。

脂漏性皮膚炎は、乳児期と、思春期以降の幅広い年代でみられ、高齢の方にも起こります。[1,2]加齢とともに皮脂の分泌は減る傾向がありますが、それでも皮膚に常在するマラセチアという菌やバリア機能などが関わって、頭皮や顔(小鼻の脇・眉間)などに赤み・フケ・かゆみが出ることがあります。頭皮の症状は「頭皮の脂漏性皮膚炎」、顔は「顔の脂漏性皮膚炎」も参考になります。

高齢者の脂漏性皮膚炎でみられる特徴を示した図
図:高齢者でみられる特徴。加齢で皮脂は減る傾向でも脂漏性皮膚炎はみられ、神経の病気や免疫の低下などとの関連が報告されています。皮脂欠乏(乾燥)と重なりやすく、介護や入浴時に気づかれることもあります。

関連が指摘される要因

この章の要点

神経の病気(パーキンソン病など)や免疫の低下などと、脂漏性皮膚炎との関連が報告されています。ただし原因を断定するものではありません。

脂漏性皮膚炎は、いくつかの状態との関連が報告されています。とくに、パーキンソン病などの神経の病気や、免疫の働きが低下している状態などで、脂漏性皮膚炎がみられやすいことが知られています。[1,2]高齢の方ではこうした背景を持つ場合もあり、症状に影響することがあります。ただし、これらはあくまで「関連が報告される傾向」であり、脂漏性皮膚炎があるからといって特定の病気があると決まるわけではありません。気になる場合は、かかりつけ医や皮膚科に相談しましょう。

乾燥(皮脂欠乏)との重なりに注意

この章の要点

高齢の肌は乾燥しやすく、脂漏性皮膚炎と乾燥性の湿疹が重なって症状が分かりにくいことがあります。

高齢の肌は皮脂や水分が減って乾燥しやすく、乾燥によるかゆみや湿疹(皮脂欠乏性の湿疹)が起こりやすくなります。脂漏性皮膚炎とこうした乾燥の症状が重なると、赤み・かゆみ・皮むけの原因が分かりにくくなることがあります。見分けが難しいことも多いため、自己判断せず皮膚科で確認すると安心です。似た症状の見分けは「脂漏性皮膚炎と似た皮膚炎」も参考になります。

高齢者の脂漏性皮膚炎ケアの配慮を示した図
図:ケアの配慮。熱すぎないお湯でこすらず泡でやさしく洗う、乾燥しやすいので低刺激で保湿する、かゆみで掻いて傷つけない工夫、広がる・強いかゆみ・傷がある時は受診する。

ケアの配慮と受診の目安

この章の要点

やさしく洗う・保湿する・掻いて傷つけない配慮が大切。持病や薬がある方は相談を。悪化する場合は受診しましょう。

高齢の方のケアでは、熱すぎないお湯でこすらず泡でやさしく洗い、乾燥しやすいので低刺激の保湿を大切にします。かゆみで掻いて皮膚を傷つけないよう、爪を短く保つ、環境を整えるなどの配慮も役立ちます。持病があったり複数の薬を飲んでいたりする方は、市販薬やケア用品の自己判断を避け、医師・薬剤師に相談しましょう。次のような場合は皮膚科の受診を検討してください。

  • 赤み・かゆみ・フケが広がる、または続く
  • 掻いて傷ができる、じゅくじゅくする
  • 乾燥か脂漏性皮膚炎か分からず、ケアに迷う

ケアと治療の順序は「脂漏性皮膚炎の治し方」もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 高齢でも脂漏性皮膚炎になりますか?

A. なります。加齢で皮脂は減る傾向でも、脂漏性皮膚炎はみられます。頭皮や顔(小鼻・眉間)などに赤み・フケ・かゆみが出ることがあります。続く場合は皮膚科で確認しましょう。

Q. パーキンソン病と関係がありますか?

A. パーキンソン病などの神経の病気と脂漏性皮膚炎の関連が報告されています。ただし、脂漏性皮膚炎があるからといって特定の病気があると決まるわけではありません。気になる場合はかかりつけ医や皮膚科に相談しましょう。

Q. 乾燥との見分けはどうすればいいですか?

A. 高齢の肌は乾燥しやすく、脂漏性皮膚炎と重なって見分けが難しいことがあります。皮脂の多い部位に脂っぽい鱗屑と赤みがあれば脂漏性皮膚炎の可能性がありますが、自己判断は難しいため皮膚科で確認すると安心です。

Q. 介護でのケアで気をつけることは?

A. 熱すぎないお湯でこすらずやさしく洗い、乾燥しやすいので低刺激で保湿すること、掻いて傷つけない配慮が大切です。持病や薬がある場合は自己判断を避け、医師・薬剤師に相談しましょう。

Q. 何科を受診すればいいですか?

A. 皮膚科です。持病がある方はかかりつけ医とも連携するとよいでしょう。乾燥か脂漏性皮膚炎か分からない・悪化する場合は、自己判断を続けず受診してください。

参考文献

  1. DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis
  2. Borda LJ, Wikramanayake TC. Seborrheic Dermatitis and Dandruff: A Comprehensive Review. J Clin Investig Dermatol. 2015. PMID: 27148560. PMC4852869
  3. American Academy of Dermatology. Seborrheic dermatitis: Overview. aad.org

本記事は、診療ガイドラインや公的医療機関・医学文献などの信頼できる情報源をもとに、脂漏性皮膚炎ナビ編集部が作成しています。個々の症状の診断・治療については医療機関にご相談ください。

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