マスクと脂漏性皮膚炎|蒸れ・摩擦で悪化する理由とマスク下のケア

マスクと脂漏性皮膚炎を解説する記事のアイキャッチ
セルフケア2026.08.18 公開 / 2026.08.21 更新

「マスクをするようになって、頬や鼻のまわりの赤み・かゆみが悪化した」——マスクの着用が脂漏性皮膚炎の悪化に関わることがあります。マスクの内側は蒸れて温度・湿度が上がりやすく、縁の当たる部分はこすれます。こうした環境は、皮脂の多い部位の炎症に影響することがあると考えられています。この記事では、マスクで悪化しやすい理由と、マスク下のケアのポイント、受診の目安を整理します。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療の代替となるものではありません。マスクによる症状には接触皮膚炎など別の原因もあります。改善しない・悪化する場合は、自己判断せず皮膚科を受診してください。

この記事の要点

  • マスクの内側は蒸れて温度・湿度が上がりやすく、皮脂の多い部位の状態に影響することがあります。
  • 摩擦・汗・皮脂のこもりなどが、脂漏性皮膚炎の悪化に関わると考えられています。
  • 縁が当たる頬・鼻・耳の後ろなどに、赤み・かゆみ・皮むけが出やすいとされます。
  • 清潔なマスク・肌当たりのよい素材・こまめな汗ケア・やさしい洗浄と保湿が基本です。
  • マスク皮膚炎(接触皮膚炎)など別の原因のこともあり、続く場合は皮膚科で確認しましょう。

こんな人に

  • マスクをすると頬・鼻まわりが赤くなる・かゆくなる方
  • マスクの縁が当たる部分の皮むけが気になる方
  • 耳の後ろまで症状が出る方
  • マスク下のスキンケアを見直したい方

顔や耳の脂漏性皮膚炎は「顔の脂漏性皮膚炎」「耳の脂漏性皮膚炎」で解説しています。マスクの縁は、これらの部位に当たりやすい場所です。

マスクで悪化しやすいのはなぜ?

この章の要点

マスク内側の蒸れ(温度・湿度の上昇)、摩擦、汗、皮脂のこもりが、皮膚のバリアや菌のバランスに影響すると考えられています。

マスクを着けると、内側は呼気や汗で温度・湿度が上がりやすくなります。この蒸れた環境は、皮膚のバリア機能を乱したり、毛穴をふさいで皮脂がこもったり、皮膚に住む菌のバランスを変えたりすることがあると報告されています。[1,2]脂漏性皮膚炎は皮脂やマラセチアという常在菌が関わるため、こうした変化が悪化に関わることがあると考えられています。[2]また、マスクの縁が当たる部分の摩擦も刺激になります。原因の全体像は「脂漏性皮膚炎の原因とは?」も参考になります。

マスクで脂漏性皮膚炎が悪化しやすい理由を示した図
図:マスクで悪化しやすい理由。内側の温度・湿度の上昇、縁が当たる頬・鼻・耳の後ろの摩擦、汗のこもり、皮脂のこもりなどが、皮膚のバリアや菌のバランスに影響すると考えられています。

どこに症状が出やすい?

この章の要点

マスクの縁や覆われる部分(頬・鼻・鼻の付け根・耳の後ろ)に、赤み・かゆみ・皮むけが出やすいとされます。

マスクに関連した肌トラブルは、縁が当たって摩擦が起きやすい部分や、覆われて蒸れやすい部分に出やすいとされます。具体的には、頬、鼻や鼻の付け根、口のまわり、耳の後ろ(マスクのひもが当たる部分)などです。[1]もともと脂漏性皮膚炎が出やすい皮脂の多い部位と重なることも多く、悪化として気づかれることがあります。

マスク下のケアのポイント

この章の要点

清潔なマスク・肌当たりのよい素材・こまめな汗ケア・やさしい洗浄と保湿が基本です。

マスクを使う場合のケアのポイントを整理します。不織布マスクはこまめに交換し、布マスクは毎日洗って清潔に保ちましょう。肌当たりのよい素材で、締めつけすぎないサイズを選ぶと摩擦を減らせます。蒸れて汗をかいたら、休憩時などに汗をやさしく拭き取りましょう。マスクを外した後は、泡でやさしく洗い、必要に応じて低刺激の保湿を行います。洗顔の基本は「脂漏性皮膚炎の正しい洗顔」を参考にしてください。ゴシゴシこすらないことが大切です。

マスク下の脂漏性皮膚炎ケアのポイントを示した図
図:マスク下のケア。不織布はこまめに交換し布マスクは毎日洗う、肌当たりのよい素材・締めつけないサイズを選ぶ、蒸れたら汗を拭く、外した後は泡でやさしく洗い保湿する。

受診の目安

この章の要点

ケアしても改善しない・強い赤みやかゆみが続く・かぶれのような症状がある場合は、皮膚科を受診しましょう。

マスクによる症状には、脂漏性皮膚炎の悪化だけでなく、素材や摩擦による接触皮膚炎(かぶれ)が関わることもあります。次のような場合は、自己判断のケアを続けず皮膚科の受診を検討してください。

  • ケアを続けても赤み・かゆみ・皮むけが改善しない
  • 強い赤み・かゆみ・ヒリヒリ感が続く
  • マスクが当たる部分にかぶれのような症状が出る

ケアと治療の順序は「脂漏性皮膚炎の治し方」もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. マスクで脂漏性皮膚炎は悪化しますか?

A. 悪化に関わることがあります。マスク内側の蒸れ・摩擦・汗・皮脂のこもりが、皮膚のバリアや菌のバランスに影響すると報告されています。ただし個人差があり、接触皮膚炎など別の原因のこともあります。

Q. どんなマスクを選べばいいですか?

A. 肌当たりのよい素材で、締めつけすぎないサイズを選ぶと摩擦を減らせます。不織布はこまめに交換し、布マスクは毎日洗って清潔に保ちましょう。合わないと感じたら素材を変えてみるのも一つです。

Q. マスクの下でも保湿していいですか?

A. 低刺激の保湿は役立つことがあります。ただし厚塗りは蒸れの一因になることもあるため、少量を薄く使い、様子を見ましょう。悪化する場合は中止してください。

Q. 耳の後ろも痛くなります。関係ありますか?

A. マスクのひもが当たる耳の後ろは、摩擦や蒸れで症状が出やすい部位です。脂漏性皮膚炎が及ぶこともあります。痛みや赤みが続く場合は皮膚科に相談しましょう。耳の症状は関連記事でも解説しています。

Q. 何科を受診すればいいですか?

A. 皮膚科です。マスクによる症状には脂漏性皮膚炎の悪化とかぶれ(接触皮膚炎)が混じることもあり、続く・悪化する場合は皮膚科で診てもらうと安心です。

参考文献

  1. DermNet. Skin reactions to face masks. dermnetnz.org
  2. Veraldi S, et al. Seborrheic dermatitis and anti-COVID-19 masks. J Cosmet Dermatol. 2020. PMID: 32770726. PMC7436393
  3. DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis

本記事は、診療ガイドラインや公的医療機関・医学文献などの信頼できる情報源をもとに、脂漏性皮膚炎ナビ編集部が作成しています。個々の症状の診断・治療については医療機関にご相談ください。

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