この記事の監修者
久保木彰一
ワイズ製薬株式会社 薬剤師
昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
脂漏性皮膚炎は「完治」より、症状がほぼない状態=「寛解」を目指す疾患です。シャンプー・生活習慣・通院の3つを“小さく始めて続ける”ことが、薬剤師の視点から見た現実的な改善の近道です。
この記事の結論
- 脂漏性皮膚炎は完治より、症状がほぼない状態=寛解を目指す疾患だと考えられています。
- シャンプー・生活習慣・通院の3つを小さく始めて続けることが現実的な改善の近道だとされています。
- 変化の目安は約90日とされ、再燃を防ぐには取り組みを途中でやめないことが大切だとされています。
こんな人に
- 完治を求めて疲れてしまい、現実的な目標を知りたい方
- 何から始めればよいか分からず一歩を踏み出せない方
- どれくらいで変化が出るのか目安を知りたい方
- 良くなった後の再燃を防ぎたい方
薬剤師の視点でみる脂漏性皮膚炎
現時点で完治を約束する治療法は確立されていないものの、正しい知識と取り組みを重ねれば目に見える改善(寛解)を目指すことは十分に可能だと考えられています。
脂漏性皮膚炎は、皮膚炎という言葉の印象以上に、見た目の悩みやストレスなど二次的な負担が大きい疾患です。残念ながら現時点で「完治」を約束する治療法は確立されていませんが、正しい知識と取り組みを重ねれば、目に見える改善(寛解)を目指すことは十分に可能だと考えています。
完治ではなく「寛解」を目標に
寛解は原因が完全に取り除かれていなくても症状がない・ごく軽い状態を指し、ゼロか百かで完治を求めるより寛解を維持する発想のほうが現実的だとされています。
寛解とは、病気の原因が完全に取り除かれてはいないものの、症状がない、あるいはごく軽い状態を指します。原因が残るため再発(再燃)の可能性はありますが、「ゼロか百か」で完治を求めるより、寛解を維持する発想のほうが現実的で、気持ちもラクになります。
寛解を目指す3本柱
シャンプー・ヘアケア、生活習慣、通院・投薬の3つが重なったとき、寛解の可能性が見えてくると考えられています。
改善は、ひとつの取り組みだけで決まるものではありません。取り組みの数が増えるほど、比例して改善の可能性が高まると考えています。
- ① シャンプー・ヘアケア:ぬるめのお湯でやさしく洗い、しっかり乾かす。フケを落とし頭皮環境を整える。
- ② 生活習慣:食事(脂質・刺激物を控え、オメガ3・ビタミンD・E・亜鉛を意識)、睡眠、ストレス発散、運動。
- ③ 通院・投薬:皮膚科でステロイド外用などを正しく使い、症状をコントロールする。
この3つが重なったとき、寛解の可能性が見えてきます。
“小さく始めて続ける”改善設計
すべてを一度に完璧にやろうとすると続かないため、お湯の温度を下げるなどハードルの低い一つから無理なく続けることが大切だとされています。
すべてを一度に完璧にやろうとすると続きません。まずは「今日からできる一つ」を見つけ、無理なく続けることが大切です。たとえば「お湯の温度を下げる」「朝に散歩する」など、ハードルの低いものからで構いません。
変化の目安は約90日
頭皮のターンオーバーはおおむね45日とされ、これを2回転させる約90日が変化を見極める目安と考えられています。
頭皮のターンオーバー(生まれ変わり)は、おおむね45日とされています。経験的には、これを2回転させる約90日を、変化を見極めるひとつの目安と考えています。すぐに結果が出なくても、焦らず継続することがポイントです。
再燃させないコツ
再燃を防ぐ最大のポイントは改善の取り組みを途中でやめないことで、寛解後も続けられる範囲でケアを保つことが大切だとされています。
再燃を防ぐ最大のポイントは、「改善の取り組みを途中でやめないこと」です。良くなったからとケアや習慣を手放すと、症状を抑えていた仕組みが失われ、再び現れやすくなります。寛解後も、続けられる範囲でケアを保ちましょう。
情報との付き合い方
出典や根拠のある情報を選び、迷ったら自己判断せず専門家に相談する姿勢が、遠回りのようで近道だとされています。
脂漏性皮膚炎は情報が多く、ネットやSNSには玉石混交の情報があふれています。出典や根拠のある情報を選び、迷ったら自己判断せず専門家に相談する——この姿勢が遠回りのようで近道です。
今日からできる一歩(チェックリスト)
お湯を36〜40℃に下げる、やさしく洗って乾かす、朝に散歩する、脂質・刺激物を控える、症状が強いときは皮膚科を受診するなどが挙げられています。
- ✓ シャンプーのお湯を36〜40℃に下げる
- ✓ ゴシゴシ洗いをやめ、やさしく洗ってしっかり乾かす
- ✓ 朝に10〜20分の散歩(日光+リズム運動)
- ✓ 脂質・刺激物を控え、魚・きのこ・亜鉛を意識
- ✓ 症状が強いときは皮膚科を受診
私自身も脂漏性皮膚炎と向き合ってきました。だからこそ伝えたいのは、「一つでもいいから今日から始めて、やめないこと」。地道な積み重ねが、必ず力になります。
市販薬の選び方はこちら:脂漏性皮膚炎の市販薬はどれを選ぶ?成分別の選び方と受診目安
あわせて読みたい:脂漏性皮膚炎はなぜ治りにくいのか|完治と寛解の違いを薬剤師が解説
あわせて読みたい:脂漏性皮膚炎の治し方「お薬について」
よくある質問
Q. まず何から始めればよいですか?
A. ハードルの低いものから始めるのがおすすめです。お湯の温度を下げる、やさしく洗う、朝に散歩するなど、続けられる一つを今日から取り入れてみてください。すべてを一度に完璧にやろうとすると続かないため、小さく始めることが大切です。
Q. どれくらいで変化が出ますか?
A. 頭皮のターンオーバーはおおむね45日とされ、これを2回転させる約90日が変化を見極める目安と考えられています。すぐに結果が出なくても焦らず継続することがポイントです。変化の感じ方には個人差があります。
Q. 情報が多すぎて迷います。
A. 脂漏性皮膚炎はネットやSNSに玉石混交の情報があふれています。出典や根拠のある情報を選び、迷ったら自己判断せず医療機関や薬剤師に相談しましょう。この姿勢が遠回りのようで近道だとされています。
Q. セルフケアだけで治せますか?
A. 症状が出ているときは通院・投薬と組み合わせるのが現実的とされています。シャンプー・生活習慣・通院の3本柱を併用しましょう。症状が強いときは自己判断に頼らず皮膚科を受診してください。
Q. 良くなったらケアをやめてよいですか?
A. 再燃を防ぐため、寛解後も続けられる範囲でケアを保つことがすすめられます。良くなったからとケアや習慣を手放すと、症状を抑えていた仕組みが失われ、再び現れやすくなると考えられています。
Q. 食事で特に意識することは?
A. 脂質や刺激物を控えめにし、オメガ3・ビタミンD・E・亜鉛を意識するとよいとされています。魚・きのこ・亜鉛を意識するなど、無理のない範囲で食事を整えることが土台づくりにつながると考えられています。
Q. 寛解を目指すには何が必要ですか?
A. シャンプー・ヘアケア、生活習慣、通院・投薬の3本柱を組み合わせることが大切だとされています。取り組みの数が増えるほど改善の可能性が高まると考えられており、この3つが重なったとき寛解の可能性が見えてくるとされています。
Q. 今日からできる具体的な一歩はありますか?
A. シャンプーのお湯を36〜40℃に下げる、ゴシゴシ洗いをやめてやさしく洗いしっかり乾かす、朝に10〜20分の散歩をする、脂質・刺激物を控え魚・きのこ・亜鉛を意識するなどが挙げられます。症状が強いときは皮膚科を受診してください。
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