脂漏性皮膚炎とは|症状・原因・ケアの総まとめ

この記事の監修者

久保木彰一

久保木彰一

ワイズ製薬株式会社  薬剤師

昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。

「フケがなかなか減らない」「鼻の脇や眉間の赤みが続く」――そうした悩みの背景に、脂漏性皮膚炎がかかわっていることがあります。脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が多い部位に赤みやかさつき、フケのような皮むけが起こりやすい、慢性的にくり返しやすい皮膚の状態と考えられています。このページでは「脂漏性皮膚炎とは何か」を出発点に、主な症状と出やすい部位、原因として知られる要因、乳児型と成人型の違い、基本的なケアの考え方、受診の目安、よくある質問までを総まとめとしてやさしく整理します。気になる項目から読み進めてください。

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎とは、皮脂腺の多い「脂漏部位」と呼ばれる場所に、赤み・かゆみ・フケ状の皮むけ(鱗屑)などがあらわれやすいとされる皮膚の状態です。脂漏部位には、頭皮・髪の生え際・額・眉間・鼻の脇・耳のまわり・胸元・背中などが含まれます。症状が落ち着いたり、ぶり返したりをくり返しやすいのが特徴のひとつとして知られています。

名前に「脂漏(しろう)」とつくとおり、皮脂の存在と関係が深いと考えられています。ただし「皮脂が多い人だけがなる」「不潔だからなる」といった単純なものではなく、後述するように皮脂のほかにも複数の要因が重なって生じやすいと説明されることが一般的です。湿疹のような見た目から、ほかの皮膚トラブルと見分けがつきにくい場合もあります。

脂漏性皮膚炎について全体像をもう少し詳しく知りたい方は、脂漏性皮膚炎とは?原因・症状・治療をやさしく解説もあわせてご覧ください。

主な症状と出やすい部位

脂漏性皮膚炎で見られやすいとされる症状には、次のようなものがあります。あらわれ方や程度には個人差があり、一部だけが目立つこともあります。

  • フケのような皮むけ(鱗屑):白っぽい、または黄みがかったかさつきが見られることがあります。
  • 赤み(紅斑):皮膚がうっすら赤くなり、境目がはっきりしないこともあります。
  • かゆみ:軽いものから気になる程度まで幅があるとされます。
  • べたつき・てかり:皮脂の多い部位でとくに感じやすいことがあります。
  • かさぶた・じゅくつき:かき壊しなどがあると見られる場合があります。

頭皮にあらわれる場合

頭皮では、フケが増える、かゆみが続く、かさぶたのようになる、といった形であらわれやすいとされます。シャンプーをしてもフケがすぐに戻るように感じる、という声も少なくありません。頭皮のフケ・かゆみ・かさぶたが気になる方は、頭皮のフケ・かゆみ・かさぶたの対処法を参考にしてください。

顔・鼻まわりにあらわれる場合

顔では、鼻の脇・小鼻・眉間・眉まわり・生え際などに赤みやかさつきが出やすいとされます。スキンケアでヒリつきを感じることもあります。顔の症状については、鼻の脇・眉間の赤みの原因と治し方でくわしく取り上げています。

「自分の症状が当てはまるか確かめたい」という方は、登録不要・約1分で取り組める無料セルフチェック(6問・約1分)もご利用いただけます。あくまで目安であり、診断ではない点にご注意ください。

原因として知られる要因(皮脂・マラセチア・生活習慣)

脂漏性皮膚炎は、ひとつの原因だけで説明されるものではなく、複数の要因が重なって生じやすいと考えられています。ここでは代表的とされる要因を整理します。

皮脂の分泌

皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発な部位に症状があらわれやすいことから、皮脂は深く関係していると考えられています。皮脂の量や質には、年齢・性別・ホルモンの状態などが影響するとされます。

マラセチア(皮膚の常在菌)

マラセチアは、皮膚にもともといる常在菌(カビの一種)で、皮脂を好む性質があるとされます。皮脂が多い環境で増えやすく、これに対する皮膚の反応が、脂漏性皮膚炎と関係していると説明されることがあります。マラセチアについては、マラセチア菌と脂漏性皮膚炎の関係もあわせてご覧ください。

生活習慣・体調などの要因

睡眠不足やストレス、偏った食事、季節や気温・湿度の変化、体調の崩れなどが、症状の出やすさに影響する可能性が指摘されています。これらは直接の「原因」というより、ぶり返しやすさにかかわる背景的な要因として語られることが多いものです。原因をより詳しく知りたい方は、脂漏性皮膚炎の原因を徹底解説|菌・ホルモン・ストレスをご覧ください。

なお、ここで挙げた要因はあくまで一般的に知られている内容の整理であり、症状の原因の特定や評価は医療機関で行われるものです。

乳児型と成人型のちがい

脂漏性皮膚炎は、あらわれる時期によって大きく「乳児型」と「成人型」に分けて語られることがあります。それぞれ経過の傾向が異なるとされます。

乳児型

生後まもない時期に見られることがあるタイプで、頭部に黄みがかったかさつきが出るなどの形で語られます。一般に時間の経過とともに落ち着いていく傾向があるとされますが、心配な場合は自己判断で対処せず、小児科や皮膚科に相談すると安心です。

成人型

思春期以降の年代に見られることがあるタイプで、頭皮・顔・胸元などに症状が出やすく、落ち着いたりぶり返したりをくり返しやすいとされます。このページで主に扱っているのは、こちらの成人型に関する内容です。

乳児型・成人型のいずれであっても、見た目や経過には個人差があるため、気になる症状があるときは医療機関での確認をおすすめします。

基本的なケアの考え方

脂漏性皮膚炎との付き合い方として、一般に大切とされるのは「皮膚を清潔に保ちつつ、刺激を与えすぎない」「うるおいを守る」「生活リズムを整える」といった土台づくりの考え方です。以下は一般的な心がけの例であり、効果効能を示すものではありません。

  • やさしく洗う:強くこすりすぎず、洗い残しがないようにすすぐことが基本とされます。
  • 洗いすぎに注意:清潔を意識するあまり過度に洗うと、かえって負担になることがあるとされます。
  • 保湿を意識する:皮脂が多い部位でも、乾燥が気になる場合は油分の少ないタイプで整える考え方が紹介されることがあります。
  • 刺激を避ける:かきこわしや、合わないと感じる製品の使用は控えめにするのが無難です。
  • 生活リズムを整える:睡眠・食事・ストレスケアなど、土台を整える意識が語られます。

頭皮ケアでは、自分の状態や好みに合うシャンプー選びが話題になりやすいテーマです。選び方の考え方は脂漏性皮膚炎におすすめのシャンプーの選び方で整理しています。皮膚科での対応とセルフケアの順序を知りたい方は、脂漏性皮膚炎の治し方|皮膚科治療とセルフケアの正しい順序もご参照ください。

これらはあくまで一般的なケアの考え方であり、症状の改善を保証するものではありません。合わないと感じたときは無理を続けず、専門家に相談しましょう。

受診の目安

セルフケアを意識していても、次のような場合は皮膚科などの医療機関に相談することがすすめられます。早めの相談は、ほかの皮膚トラブルとの見分けの面でも役立つとされます。

  • 赤み・かゆみ・皮むけが長く続く、またはくり返している
  • 範囲が広がってきた、または程度が強くなってきたと感じる
  • かき壊しやじゅくつき、痛みをともなう
  • 市販品でのケアを続けても変化が感じられず不安がある
  • 乳児や、持病・服薬中など、自己判断に迷いがある

脂漏性皮膚炎に似た症状は、ほかの皮膚の状態でも見られることがあります。見た目だけで自己判断せず、気になるときは医療機関で相談することが大切です。

よくある質問(FAQ)

脂漏性皮膚炎とは、簡単にいうとどんなものですか?

皮脂の多い頭皮や顔などの部位に、赤み・かゆみ・フケ状の皮むけが起こりやすいとされる、くり返しやすい皮膚の状態です。複数の要因がかかわると考えられています。

脂漏性皮膚炎はうつりますか?

一般に、人から人へうつる性質のものではないと説明されることが多いです。詳しいことは医療機関で確認すると安心です。

フケが多いと脂漏性皮膚炎なのでしょうか?

フケは乾燥や洗い方など、さまざまな要因でも増えることがあります。フケがあるからといって必ず脂漏性皮膚炎とは限らないため、気になる場合はセルフチェックを目安にしつつ、医療機関に相談しましょう。

脂漏性皮膚炎の原因は何ですか?

皮脂、常在菌であるマラセチア、生活習慣や体調など、複数の要因が重なって生じやすいと考えられています。原因の特定は医療機関で行われます。

自分でケアするときに気をつけることはありますか?

強くこすらない、洗いすぎない、刺激を避ける、生活リズムを整える、といった土台づくりが一般的な心がけとして語られます。合わないと感じたときは無理をせず相談しましょう。

市販のシャンプーやスキンケアだけで対応できますか?

セルフケアは土台づくりとして役立つ一方、症状が続く・くり返す場合は医療機関での相談がすすめられます。製品選びの考え方はシャンプーの選び方を参考にしてください。

すぐに皮膚科を受診したほうがよいのはどんなときですか?

症状が長く続く・広がる・強くなる、痛みやじゅくつきがある、乳児や持病がある場合などは、早めの相談がすすめられます。

※本記事は脂漏性皮膚炎に関する一般的な情報を整理したものであり、診断・治療を目的とするものではありません。症状には個人差があり、特定の改善効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は自己判断せず、皮膚科などの医療機関にご相談ください。

YouTube番組連動企画
日本人が陥る誤ケアとは?

あなたのケア、合ってる?

12,183人調査で判明 — 自己判断ケアの91.6%が悪化を経験

無料セルフチェックを受ける

6問・約1分|登録不要