脂漏性皮膚炎と抗真菌外用薬|なぜ使われる?考え方と受診の大切さ

脂漏性皮膚炎と抗真菌外用薬の考え方を解説する記事のアイキャッチ
治療・病院での対処2026.08.19 公開 / 2026.08.21 更新

脂漏性皮膚炎について調べると、「抗真菌」という言葉を目にすることがあります。脂漏性皮膚炎には皮膚に住む菌が関わるとされ、医療機関では菌に着目した外用薬(塗り薬)が用いられることがあります。この記事では、なぜ抗真菌の考え方が出てくるのか、その位置づけと、自己判断の危うさ・受診の大切さを、一般的な情報として整理します。特定の薬をすすめたり、使い方を指南したりするものではありません。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療や特定の薬の使用をすすめるものではありません。どの治療が適切かは、医師が診察のうえ判断します。症状がある場合は自己判断せず皮膚科を受診してください。

この記事の要点

  • 脂漏性皮膚炎には、皮膚の常在菌マラセチアが関わると考えられています。
  • そのため医療では、菌に着目した抗真菌の外用薬が用いられることがあります。
  • どの薬を使うか・使えるかは、医師が診断のうえ判断します。医療用は処方が必要なものがあります。
  • 水虫用など他の用途の薬を、自己判断で顔などに使うのは避けてください。
  • 脂漏性皮膚炎に似た別の皮膚疾患もあるため、まず診断を受けることが大切です。

こんな人に

  • 「脂漏性皮膚炎に抗真菌」という情報を見て意味を知りたい方
  • 市販薬で改善せず、病院の治療の考え方を知りたい方
  • 手持ちの薬を使ってよいか迷っている方
  • 受診前に基本的な考え方を整理したい方

関わる菌については「マラセチア菌とは」、抗菌・抗真菌成分の一般的な考え方は「抗菌・抗真菌成分とは」で解説しています。

なぜ「抗真菌」の考え方が出てくるのか

この章の要点

脂漏性皮膚炎には皮膚の常在菌マラセチアが関わるとされ、その菌に着目した外用薬が医療で用いられることがあります。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位で、皮膚に常在するマラセチアという真菌や皮脂、皮膚のバリア機能などが関わって炎症が起こると考えられています。[1,2]この「菌が関わる」という性質から、菌に着目した抗真菌の外用薬が、医療機関での治療の選択肢として用いられることがあります。[1]原因の全体像は「脂漏性皮膚炎の原因とは?」も参考になります。

脂漏性皮膚炎で抗真菌の外用薬が使われる背景を示した図
図:抗真菌の外用薬が使われる背景。脂漏性皮膚炎には皮膚の常在菌マラセチアが関わるとされ、菌に着目した外用薬が医療で用いられることがあります。どの薬を使うかは医師が診断のうえ判断し、医療用は処方が必要なものがあります。

どの薬を使うかは医師が判断する

この章の要点

治療に何を用いるかは、症状・部位・状態をふまえて医師が診断のうえ判断します。医療用の薬は処方が必要なものがあります。

抗真菌の外用薬といっても種類やタイプがあり、部位や症状、他の治療との組み合わせなどをふまえて、医師が診断のうえ判断します。医療機関で用いられる薬の中には、医師の処方が必要なものがあります。また、脂漏性皮膚炎の治療は抗真菌の考え方だけでなく、炎症を抑える治療や、洗浄・保湿などのスキンケアと組み合わせて考えられることが多いです。治療全体の順序は「脂漏性皮膚炎の治し方」で解説しています。

自己判断で他用途の薬を使わない

この章の要点

水虫用など他の用途の薬を、自己判断で顔などに使うのは避けてください。思わぬ悪化や副作用のもとになります。

「抗真菌」という共通点から、水虫(足白癬)用など他の用途の抗真菌薬を、自己判断で顔や頭皮に使ってよいのでは、と考えてしまう方がいますが、これは避けてください。用途や部位に応じて適した薬・使い方は異なり、自己判断での流用は思わぬ刺激・かぶれ・悪化につながることがあります。市販薬を試して改善しない場合も、続ける前に受診しましょう。市販薬の選び方の考え方は「脂漏性皮膚炎の市販薬はどれを選ぶ?」で解説しています。

抗真菌薬を自己判断で使うときに気をつけたいことを示した図
図:自己判断で気をつけたいこと。水虫用など他用途の薬を顔に自己判断で使わない、市販で改善しない時は受診する、似た別の皮膚疾患のこともあるため診断が先、迷ったら薬剤師や皮膚科に相談する。

まず診断を受けることが大切

この章の要点

脂漏性皮膚炎に似た別の皮膚疾患もあります。抗真菌が適切かどうかも含め、まず診断を受けましょう。

顔や頭皮の赤み・フケ・かゆみは、脂漏性皮膚炎以外の皮膚疾患でも起こります。似た症状の見分けは「脂漏性皮膚炎と似た皮膚炎」で解説しています。抗真菌の治療が適切かどうかも、診断があってはじめて判断できます。次のような場合は、自己判断を続けず皮膚科の受診を検討してください。

  • 市販のケアや薬を試しても改善しない、または悪化した
  • 赤み・かゆみ・かさぶたが強い、範囲が広がる
  • 何を使えばよいか分からず迷っている

「病院に行っても良くならない」と感じる場合の考え方は「皮膚科で治らないと感じる理由」も参考になります。

よくある質問

Q. 脂漏性皮膚炎に抗真菌薬が使われるのはなぜですか?

A. 脂漏性皮膚炎には皮膚の常在菌マラセチアが関わるとされ、その菌に着目した抗真菌の外用薬が医療で用いられることがあるためです。ただしどの薬を使うかは医師が診断のうえ判断します。

Q. 抗真菌の塗り薬は市販で買えますか?

A. 医療機関で用いられる薬の中には、医師の処方が必要なものがあります。市販薬もありますが、用途や部位が限られます。脂漏性皮膚炎の治療をどうするかは、自己判断せず受診して相談しましょう。

Q. 水虫の薬を顔に塗ってもいいですか?

A. 自己判断での流用は避けてください。用途や部位に応じて適した薬・使い方は異なり、思わぬ刺激やかぶれ、悪化につながることがあります。使ってよいか迷う場合は薬剤師や皮膚科に相談しましょう。

Q. 抗真菌だけで脂漏性皮膚炎は治りますか?

A. 治療は抗真菌の考え方だけでなく、炎症を抑える治療やスキンケアと組み合わせて考えられることが多いです。何が適切かは状態によって異なるため、医師の診断が大切です。

Q. 何科を受診すればいいですか?

A. 皮膚科です。抗真菌の治療が適切かどうかも含め、まず診断を受けることが大切です。似た別の皮膚疾患のこともあるため、自己判断を続けず受診しましょう。

参考文献

  1. DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis
  2. Borda LJ, Wikramanayake TC. Seborrheic Dermatitis and Dandruff: A Comprehensive Review. J Clin Investig Dermatol. 2015. PMID: 27148560. PMC4852869
  3. American Academy of Dermatology. Seborrheic dermatitis: Overview. aad.org

本記事は、診療ガイドラインや公的医療機関・医学文献などの信頼できる情報源をもとに、脂漏性皮膚炎ナビ編集部が作成しています。個々の症状の診断・治療については医療機関にご相談ください。

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