頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎の違い|フケ・かさぶたの見分け方と受診の目安

頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎の違いを解説する記事のアイキャッチ
フケ2026.08.09 公開 / 2026.08.21 更新

「頭皮に厚いフケやかさぶたのようなものがこびりつく」「これは脂漏性皮膚炎なのか、乾癬(かんせん)なのか分からない」——頭皮のフケ・かさぶたで悩む方から、この2つの見分けについてよく質問をいただきます。どちらも頭皮に赤みと鱗屑(フケ・かさぶた状のもの)が出て似ることがあり、実際に区別が難しいことも知られています。この記事では、頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎の違い・見分けの手がかり・受診の目安を整理します。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療の代替となるものではありません。頭皮の症状が続く・悪化する場合や、厚い銀白色の鱗屑・体の他の部位の症状がある場合は、自己判断せず皮膚科を受診してください。乾癬と脂漏性皮膚炎は治療の考え方が異なります。

この記事の要点

  • 頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎はどちらも赤みと鱗屑(フケ・かさぶた状)が出ますが、原因も見た目の特徴も異なると考えられています。
  • 乾癬は厚く銀白色で乾いた鱗屑・境界がはっきり・生え際を越えて広がりやすく、肘・膝・爪などにも出ることがあります。
  • 脂漏性皮膚炎は黄色っぽく脂っぽい鱗屑で、皮脂の多い部位に境界がぼやけて出やすいとされます。
  • 両方の特徴が混じる状態(脂漏性乾癬)もあり、専門家でも見分けにくいことがあります。
  • 乾癬は脂漏性皮膚炎より治療が難しいことがあり、正確な診断のため皮膚科の受診をおすすめします。

こんな人に

  • 頭皮に厚いフケ・かさぶたがこびりついて気になる方
  • 脂漏性皮膚炎か乾癬か分からず不安な方
  • 肘・膝・爪など、頭皮以外にも症状がある方
  • 市販のフケ用シャンプーで改善しないと感じている方

頭皮の脂漏性皮膚炎そのものは「頭皮の脂漏性皮膚炎|フケ・かゆみ・かさぶたの原因と対処法」で解説しています。あわせてお読みください。

頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎はどう違う?

この章の要点

乾癬は免疫の過剰な反応が関わる病気、脂漏性皮膚炎は皮脂と常在菌などが関わる炎症、と成り立ちが異なると考えられています。ただし見た目が重なることがあります。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位で、皮膚に常在するマラセチアという真菌や皮脂、バリア機能などが関わって炎症が起こると考えられている慢性の皮膚炎です。[1]黄色っぽく脂っぽい鱗屑を伴う赤みが特徴とされます。

一方、頭皮の乾癬は、免疫の過剰な反応によって皮膚の生まれ変わりが速くなり、厚い鱗屑ができる慢性の皮膚疾患です。[2,3]頭皮だけでなく、肘・膝・爪・体幹など全身に出ることがあります。原因の考え方が異なるため、見分けが治療方針にも関わります。[2]

頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎の主な違いを比較した図
図:頭皮の乾癬は厚く銀白色で乾いた鱗屑・境界が明瞭・生え際を越えて広がりやすいとされ、脂漏性皮膚炎は黄色っぽく脂っぽい鱗屑・境界がぼやけやすいとされます。両方の特徴が混じることもあります。

鱗屑(フケ・かさぶた)の質の違い

この章の要点

乾癬は厚く銀白色で乾いた鱗屑、脂漏性皮膚炎は黄色っぽく脂っぽい鱗屑、が典型とされます。

見分けの手がかりのひとつが鱗屑の質です。乾癬の鱗屑は厚く、銀白色で乾いていることが多く、はがすと点状の出血がみられることがあるとされます。脂漏性皮膚炎の鱗屑は黄色っぽく脂っぽいことが多いとされます。[2]ただし、実際にはこの区別が難しいこともあり、見た目だけで確実に判断することはできません。

広がり方・他の部位の症状

この章の要点

乾癬は境界がはっきりし、生え際を越えて広がりやすく、肘・膝・爪などにも出ることがあります。脂漏性皮膚炎は皮脂の多い部位が中心とされます。

乾癬は病変の境界がはっきりしていることが多く、生え際を越えて額の生えぎわなどに広がることがあります。また、頭皮だけでなく肘・膝・爪・おへそまわりなど、体の他の部位にも症状が出ることがあります。[2]こうした「頭皮以外の症状」があるかどうかは、乾癬を疑う手がかりになります。脂漏性皮膚炎は、頭皮・眉間・小鼻・耳・胸元など皮脂の多い部位が中心で、境界はぼやけやすいとされます。[1]

頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎を見分ける4つの観点を示した図
図:見分けの手がかり。鱗屑の質、広がり方、肘・膝・爪など他部位の症状、慢性の経過。あくまで参考で、確定診断は皮膚科で行われます。

両方の特徴が混じることもある(脂漏性乾癬)

この章の要点

乾癬と脂漏性皮膚炎の特徴が重なる状態があり、専門家でも見分けが難しいことがあります。

実際には、乾癬と脂漏性皮膚炎の両方の特徴を併せ持つように見える状態があり、「脂漏性乾癬(sebopsoriasis)」と呼ばれることがあります。[2]このため、見た目だけでの自己判断は難しく、はっきりしない場合は皮膚科で診てもらうことがすすめられます。頭皮のかさぶたについては「頭皮のかさぶたが治らない原因と正しい対処法」も参考になります。

治療の違いと受診の目安

この章の要点

乾癬は脂漏性皮膚炎より治療が難しいことがあり、選ばれる治療も異なります。正確な診断のため皮膚科の受診をおすすめします。

頭皮の脂漏性皮膚炎は、抗真菌成分のシャンプーや外用などで比較的コントロールしやすいことが多いのに対し、乾癬はより治療が難しく、状態によってはステロイド外用・光線療法・内服など、より踏み込んだ治療が検討されることがあります。[2,3]治療の方向性が異なるため、まず「どちらなのか」を確認することが大切です。次のような場合は、自己判断でフケ用シャンプーを続けるのではなく、皮膚科の受診を検討してください。

  • 厚い銀白色の鱗屑・かさぶたがこびりつく
  • 生え際を越えて広がっている、境界がはっきりしている
  • 肘・膝・爪・体など頭皮以外にも症状がある
  • 市販のケアを続けても改善しない、または悪化した

似た皮膚炎全体の見分けは「脂漏性皮膚炎と似た皮膚炎」、脂漏性皮膚炎のケアの順序は「脂漏性皮膚炎の治し方」もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎はどう見分けますか?

A. 鱗屑の質(厚く銀白色で乾いている→乾癬/黄色く脂っぽい→脂漏性)、広がり方(生え際を越える・境界明瞭→乾癬)、肘・膝・爪など他部位の症状の有無が手がかりです。ただし重なることもあり、自己判断では確実に区別できません。確定診断は皮膚科で行われます。

Q. 厚いかさぶたのようなフケは乾癬ですか?

A. 厚く銀白色で乾いた鱗屑は乾癬でみられやすい特徴ですが、それだけで乾癬と決まるわけではありません。頭皮以外の症状の有無なども含めて医師が判断します。厚いかさぶたが続く場合は皮膚科で相談しましょう。

Q. 乾癬と脂漏性皮膚炎は同時に起こりますか?

A. 両方の特徴が混じる「脂漏性乾癬」と呼ばれる状態があり、見分けが難しいことがあります。専門家でも判断に迷うことがあるため、はっきりしない場合は皮膚科の診察を受けることがすすめられます。

Q. 市販のフケ用シャンプーで治りますか?

A. 脂漏性皮膚炎は抗真菌成分のケアで落ち着くことがありますが、乾癬はより治療が難しいことがあります。市販のケアで改善しない・悪化する場合は、乾癬など別の可能性もあるため、自己判断を続けず皮膚科を受診してください。

Q. 何科を受診すればいいですか?

A. 皮膚科です。乾癬と脂漏性皮膚炎は治療の考え方が異なるため、正確な診断が役立ちます。頭皮以外に症状がある場合も、まとめて皮膚科で相談するとよいでしょう。

参考文献

  1. DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis
  2. Mayo Clinic. Scalp psoriasis vs. seborrheic dermatitis: What’s the difference? mayoclinic.org
  3. DermNet. Psoriasis. https://dermnetnz.org/topics/psoriasis

本記事は、診療ガイドラインや公的医療機関・医学文献などの信頼できる情報源をもとに、脂漏性皮膚炎ナビ編集部が作成しています。個々の症状の診断・治療については医療機関にご相談ください。

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