この記事の監修者
久保木彰一
ワイズ製薬株式会社 薬剤師
昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
ストレスは脂漏性皮膚炎を悪化させる要因の一つと考えられています。鍵は「食事や飲酒に逃げない発散」と、運動・腸活でセロトニンを味方につけ、睡眠を整えることだとされています。
ストレスが脂漏性皮膚炎を悪化させるしくみ
ストレスは、脂漏性皮膚炎の症状を悪化させる要因の一つとされています。目に見えないため軽視されがちですが、実際には想像以上に症状と深く関係していると考えられています。実際に「ストレスフルな職場を離れただけで、症状がおさまった」という声もあり、心の状態と肌の状態は切り離せないものと言えそうです。
ストレスがかかると自律神経のバランスが乱れやすくなり、皮脂の分泌や肌のコンディションにも影響が及ぶと考えられています。原因が思い当たらないのに症状が長引くときは、生活や仕事の中にあるストレスを一度見直してみるとよいかもしれません。「気のせい」と片づけず、ストレスもケアの対象として向き合うことが大切だとされています。
“逃げてはいけない”発散(食事・飲酒に逃げない理由)
ストレスを発散すること自体はとても大切ですが、その方法には注意が必要です。なかでも避けたいのが、食事や飲酒など、脂漏性皮膚炎の悪化を招きやすいものにストレスのはけ口を求めてしまうことです。
暴飲暴食や過度な飲酒は、一時的に気分が晴れたように感じても、肌のコンディションにとってはマイナスに働くことがあると考えられています。「ストレス発散のつもりが、かえって症状を悪化させていた」という事態を避けるためにも、発散方法そのものを健康的なものへと切り替えていくことが望ましいとされています。ストレス解消と肌ケアが両立する方法を選ぶ、という視点が役立ちます。
健康的なストレス発散法
食事や飲酒に頼らず、肌にも心にもやさしい発散法を取り入れていきましょう。次のような方法は、無理なく続けやすいものとして挙げられます。自分に合うものを見つけて、生活に取り入れてみてください。
- ✓ 歌を歌う
- ✓ 楽器を弾く
- ✓ 筋トレをする
- ✓ ゴルフを楽しむ
- ✓ 瞑想で心を落ち着ける
- ✓ 人と話す
- ✓ 散歩をする
とくに散歩は、特別な道具も準備もいらず、それでいて十分な発散効果が期待できる方法とされています。「何から始めればいいかわからない」という場合は、まず毎日の散歩から取り入れてみるのがおすすめです。
セロトニンを味方にする
セロトニンとは
セロトニンは脳内でつくられる物質で、分泌されると精神的な安定や睡眠の質の向上、集中力の増強などの効果があるとされています。脂漏性皮膚炎は、症状が長引くことで不安を招きやすい一面があります。そんなとき、メンタルを安定させてくれるセロトニンは、心強い味方になると考えられています。
運動・リズム運動で増やす
セロトニンは、主に運動によって分泌されるとされています。なかでも、簡単な動作を繰り返す「リズム性運動」で多く分泌されると考えられています。リズム性運動とは、たとえば散歩や咀嚼(よく噛むこと)のような、一定のリズムで同じ動きを繰り返す運動のことです。
激しい運動である必要はなく、リズムよく歩くだけでも効果が期待できるとされています。先ほど紹介した散歩は、ストレス発散とセロトニン分泌の両方を兼ねられる、一石二鳥の方法と言えそうです。
腸活で増やす
セロトニンを増やすには、腸を整える「腸活」も有効だとされています。これは、体内で生成されるセロトニンの90%以上が腸に由来すると考えられているためです。腸を健康に保つことが、心の安定にもつながっていくわけです。
腸を整えるポイントの一つが「温めること」とされています。具体的には、白湯を飲む、腹巻きを使う、冷たい飲み物を避けるといった工夫が挙げられます。日々のちょっとした習慣で、腸とメンタルの両方をいたわっていきましょう。
睡眠不足とストレスの悪循環
睡眠とストレスも、見過ごせない関係にあります。睡眠不足はストレスホルモンを増加させ、脂漏性皮膚炎を悪化させると考えられています。さらに、ストレスがたまると今度は眠りが浅くなり、睡眠の質が下がる——という悪循環に陥りやすい点にも注意が必要です。
この悪循環を断つには、ストレスケアと睡眠の改善を同時に進めることが大切だとされています。セロトニンは睡眠の質の向上にも関わるとされているため、日中に体を動かしてセロトニンを分泌させ、夜はしっかり眠る、というリズムを整えることが、肌にも心にもよい影響をもたらすと考えられています。
症状が長引くと、不安やイライラがたまり、それがまた肌に響いてしまう——その苦しさはとてもよくわかります。だからこそ、自分を責めずに、まずは散歩や白湯など「できそうなこと」から一つずつ始めていただけたらと思います。
よくある質問
ストレスだけで脂漏性皮膚炎は悪化しますか?
ストレスは脂漏性皮膚炎を悪化させる要因の一つとされています。目に見えないため軽視されがちですが、想像以上に症状と関係すると考えられており、「ストレスフルな環境を離れただけで症状がおさまった」という声もあります。ただし要因はストレスだけとは限らないため、生活習慣全体を見直すことが大切です。
おすすめのストレス発散法はありますか?
歌を歌う、楽器を弾く、筋トレ、ゴルフ、瞑想、人と話すなどが健康的な発散法として挙げられます。なかでも散歩は手軽で、十分な発散効果が期待できるとされています。一方で、食事や飲酒など脂漏性皮膚炎の悪化を招きやすいものに頼るのは避けたほうがよいと考えられています。
腸活はストレスや脂漏性皮膚炎と関係がありますか?
関係があると考えられています。メンタルを安定させるセロトニンは、体内で生成される量の90%以上が腸に由来するとされており、腸を整えることが心の安定につながると考えられています。白湯を飲む、腹巻きを使う、冷たい飲み物を避けるなど、腸を温める工夫が役立つとされています。
運動はどれくらいすればよいですか?
激しい運動は必須ではないとされています。セロトニンは、散歩や咀嚼のように簡単な動作を繰り返す「リズム性運動」で多く分泌されると考えられているため、リズムよく歩く程度でも効果が期待できます。まずは毎日の散歩を習慣にするところから始めるとよいでしょう。
瞑想は効果がありますか?
瞑想は、心を落ち着けるための健康的なストレス発散法の一つとして挙げられています。食事や飲酒に頼らず気持ちを整えられる方法であり、自分に合うと感じる場合は取り入れてみるとよいとされています。効果の感じ方には個人差があります。
眠れないときはどうすればよいですか?
睡眠不足はストレスホルモンを増加させ、脂漏性皮膚炎を悪化させると考えられています。日中に散歩などでセロトニンを分泌させると、睡眠の質の向上にもつながるとされています。眠れない状態が続く・つらいと感じるときは、自己判断せず医療機関に相談することをおすすめします。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療に代わるものではありません。症状が続く・強い場合や不安があるときは、自己判断せず皮膚科などの医療機関にご相談ください。