スキンケア用品やシャンプーの成分表示で、「アラントイン」と「グリチルリチン酸2K」を見かけることがあります。どちらも肌を整える目的で配合される成分ですが、着目している働きは同じではありません。この記事では、2つの成分の違いと、成分表示をどう読めばよいかを整理します。
※本記事は成分に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の製品の効果を保証するものではありません。症状が続く・悪化する場合は皮膚科を受診してください。
この記事の要点
- アラントインは、肌の修復を助ける目的で配合される成分です。
- グリチルリチン酸2Kは、肌荒れを防ぐ目的で配合される成分です。
- どちらも刺激が少なく、化粧品や医薬部外品に広く使われています。
- 表示できる効能は製品ごとに決まっており、成分名だけで効果が決まるわけではありません。
- 成分が入っていれば必ず合うとは限りません。合わないと感じたら使用を中止してください。
こんな人に
- 成分表示にある「アラントイン」が何か知りたい方
- グリチルリチン酸2Kとの違いを整理したい方
- 成分を基準に製品を選びたい方
- 低刺激のものを探している方
抗炎症成分の全体像は「抗炎症成分とは」、グリチルリチン酸については「グリチルリチン酸と脂漏性皮膚炎」で詳しく解説しています。
アラントインとは
アラントインは、荒れた肌の修復を助ける目的で配合される成分です。刺激が少なく、幅広い製品に使われます。
アラントインは、化粧品や医薬部外品に配合される成分で、荒れた皮膚の修復を助ける目的で用いられます。もともとは植物などにも含まれる成分で、現在は工業的に製造されたものが使われています。
刺激が少ないとされ、敏感になっている肌向けの製品や、頭皮用の製品にも配合されることがあります。医薬部外品では有効成分として扱われる場合があり、その場合に表示できる効能は製品ごとに承認された範囲に限られます。

グリチルリチン酸2Kとは
グリチルリチン酸2Kは、肌荒れを防ぐ目的で配合されます。カンゾウ由来の成分をもとにしています。
グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)は、カンゾウ(甘草)に含まれるグリチルリチン酸をもとにした成分です。水に溶けやすく扱いやすいため、化粧水・洗顔料・シャンプーなど幅広い製品に配合されています。
肌荒れを防ぐ目的で用いられ、医薬部外品の有効成分として使われることがあります。皮膚科医を対象とした調査でも、この成分について一定の評価が示されています。詳しくは「医師50名調査:グリチルリチン酸2K」をご覧ください。
2つの違いをどう理解するか
「荒れを防ぐ」方向か「荒れたところを整える」方向かという、着目点の違いとして捉えると分かりやすくなります。
どちらも肌を落ち着いた状態に保つ目的で使われますが、着目している働きの方向が異なります。グリチルリチン酸2Kは肌荒れを防ぐ方向、アラントインは荒れた部分の修復を助ける方向に重きが置かれています。
ただし、実際の製品ではこの2つが一緒に配合されていることも珍しくありません。どちらか一方が優れているという関係ではなく、目的に応じて組み合わせて使われていると理解するとよいでしょう。
なお、成分名が同じでも配合量や製品全体の処方によって使用感は変わります。成分名だけで製品の良し悪しが決まるわけではありません。
成分表示の読み方
医薬部外品では「有効成分」の欄を確認します。商品のうたい文句ではなく表示欄を見ることが大切です。
医薬部外品では、有効成分が表示欄に記載されています。パッケージのうたい文句ではなく、この欄を確認すると、何を目的に配合されているかが分かります。化粧品の場合は全成分が配合量の多い順に表示されます(1%以下の成分は順不同)。
成分で選ぶ考え方は「脂漏性皮膚炎のシャンプーの選び方」や「洗顔料の選び方」でも扱っています。洗浄成分については「洗浄成分の基礎」が参考になります。

成分だけで判断しないために
成分が入っていても合うとは限りません。合わないと感じたら中止し、続く場合は受診してください。
目的に合う成分が入っていても、肌に合うかどうかは人によって異なります。使用してヒリつきや赤み、かゆみが出た場合は、使用を中止してください。また、成分が入っているからといって、症状が必ず落ち着くわけでもありません。
次のような場合は、製品を探し続けるより皮膚科で相談するほうが近道です。
- 使用中に赤み・かゆみ・ヒリつきが出た
- 2週間ほど続けても変化がない
- 症状をくり返している
治療とセルフケアの順序は「脂漏性皮膚炎の治し方」で整理しています。
よくある質問
Q. アラントインとグリチルリチン酸2Kはどちらがよいですか?
A. 優劣の関係ではありません。グリチルリチン酸2Kは肌荒れを防ぐ方向、アラントインは荒れた部分の修復を助ける方向に重きがあります。実際の製品では両方が配合されていることもあります。
Q. 両方入っている製品は効果が高いですか?
A. 成分の数が多いほど良いとは限りません。配合量や製品全体の処方によって使用感は変わります。成分名だけでなく、洗浄力や使い心地も含めて判断してください。
Q. アラントインは刺激が強いですか?
A. 一般に刺激が少ない成分とされ、敏感になっている肌向けの製品にも配合されます。ただし個人差があるため、合わないと感じた場合は使用を中止してください。
Q. 成分表示のどこを見ればいいですか?
A. 医薬部外品では「有効成分」の欄を確認します。化粧品では全成分が配合量の多い順に表示されます(1%以下は順不同)。パッケージのうたい文句ではなく、表示欄を見ることが大切です。
Q. これらの成分で脂漏性皮膚炎は治りますか?
A. 成分によって症状が必ず落ち着くわけではありません。症状が続く場合や強い赤みがある場合は、製品を探し続けず皮膚科で相談してください。
参考文献
- DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis
- Borda LJ, Wikramanayake TC. Seborrheic Dermatitis and Dandruff: A Comprehensive Review. J Clin Investig Dermatol. 2015. PMID: 27148560. PMC4852869
- American Academy of Dermatology. Seborrheic dermatitis: Overview. aad.org
本記事は医学文献および公的情報をもとに編集部が作成しています。医師監修完了後、監修者情報を掲載します。
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