フケ・かゆみ対策のシャンプーの成分表示で「ジンクピリチオン(亜鉛ピリチオン、ピリチオン亜鉛)」という名前を見たことがある方は多いのではないでしょうか。この記事では、ジンクピリチオンがどんな成分なのか、どのように使われるのかを、成分の基礎知識として中立的に整理します。特定の商品をすすめるものでも、脂漏性皮膚炎が治ると保証するものでもありません。
※本記事は成分に関する一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療や特定商品の効果を保証するものではありません。症状が続く・悪化する場合は、自己判断せず皮膚科を受診してください。
この記事の要点
- ジンクピリチオン(亜鉛ピリチオン)は亜鉛の化合物で、抗菌・抗真菌の性質が知られる成分です。
- 皮膚に常在するマラセチアという菌に作用すると報告されており、フケ・かゆみ対策のシャンプー等に配合されます。
- 日本では、医薬部外品の有効成分の一つとして用いられています。
- 成分の一つであり、それだけで脂漏性皮膚炎が治ると保証するものではありません。
- 合わない場合は中止し、改善しない・悪化する場合は皮膚科の受診をおすすめします。
こんな人に
- シャンプーの成分表示にあるジンクピリチオンが気になる方
- フケ・かゆみ用シャンプーの成分の意味を知りたい方
- 成分の役割を理解して製品を選びたい方
- マラセチアと成分の関係を知りたい方
関連する常在菌については「マラセチア菌とは」、抗菌・抗真菌成分の考え方は「抗菌・抗真菌成分とは」で解説しています。
ジンクピリチオンとはどんな成分?
ジンクピリチオンは亜鉛の化合物で、抗菌・抗真菌の性質が知られ、フケ・かゆみ対策の製品に古くから使われてきた成分です。
ジンクピリチオン(英語表記 zinc pyrithione、ZPT)は、亜鉛を含む化合物です。抗菌・抗真菌の性質を持つことが知られ、フケやかゆみ対策のシャンプーなどに、長年にわたって用いられてきた成分です。[1,2]亜鉛ピリチオン、ピリチオン亜鉛と表記されることもあります。日本では、フケ・かゆみを防ぐ目的の医薬部外品の有効成分の一つとして配合されることがあります。

マラセチアへの作用(報告されているしくみ)
研究では、ジンクピリチオンがマラセチアという常在菌に対して抗真菌的に働き、菌の量を減らすことが報告されています。
脂漏性皮膚炎やフケには、皮膚に常在するマラセチアという真菌(カビの仲間)が関わると考えられています。ジンクピリチオンは、このマラセチアに対して抗真菌的に作用すると報告されています。研究では、細胞内の亜鉛を増やす、菌のミトコンドリアの機能を妨げる、皮脂を分解する酵素(リパーゼ)の働きを下げる、といった複数のしくみが示唆されており、シャンプー使用後に頭皮のマラセチアが減ることも報告されています。[2,3]ただし、こうした知見は成分そのものの作用に関するもので、個々の症状が必ず改善することを保証するものではありません。
どんな製品に使われる?
主にフケ・かゆみ対策のシャンプーやボディ用製品に配合され、日本では医薬部外品の有効成分として扱われます。
ジンクピリチオンは、フケ・かゆみ対策をうたうシャンプーやボディソープなどに配合されることがあります。似た目的の成分にはサリチル酸などもあり、それぞれ着目点が異なります。角質ケアが得意なサリチル酸については「サリチル酸とは」で解説しています。成分ごとに役割が違うため、「どれか一つですべて解決」ではなく、状態に合わせて考えることが大切です。シャンプー選びの基本は「脂漏性皮膚炎向けシャンプーの選び方」も参考にしてください。
使うときの注意と受診の目安
製品表示の使い方に従い、合わなければ中止を。市販品で改善しない・悪化する場合は皮膚科を受診しましょう。
ジンクピリチオン配合の製品を使う場合は、製品に記載された使用方法・頻度に従いましょう。使ってみて刺激やかゆみ、赤みが出た場合は使用を中止してください。また、成分入りシャンプーは補助的なケアの一つであり、洗いすぎない・こすらない・必要な保湿をするといった基本と組み合わせて考えることが大切です。次のような場合は、市販品での対処を続けず皮膚科の受診を検討してください。
- 市販のシャンプーを続けても改善しない、または悪化した
- 赤み・かゆみ・かさぶたが強い、範囲が広がる
- フケ・かゆみを繰り返して困っている
市販薬の選び方は「脂漏性皮膚炎の市販薬はどれを選ぶ?」もあわせてご覧ください。

よくある質問
Q. ジンクピリチオンとはどんな成分ですか?
A. 亜鉛を含む化合物で、抗菌・抗真菌の性質が知られる成分です。フケ・かゆみ対策のシャンプーなどに古くから用いられ、日本では医薬部外品の有効成分の一つとして扱われます。
Q. ジンクピリチオンで脂漏性皮膚炎は治りますか?
A. 成分の一つであり、それだけで治ると保証することはできません。研究ではマラセチアに作用すると報告されていますが、効果や合う・合わないには個人差があります。改善しない・悪化する場合は皮膚科を受診してください。
Q. サリチル酸とはどう違いますか?
A. 着目点が異なります。ジンクピリチオンは抗菌・抗真菌の性質、サリチル酸は角質ケアが得意とされます。成分ごとに役割が違うため、状態に合わせて選ぶことが大切です。
Q. 毎日使ってよいですか?
A. 製品によって推奨される使い方や頻度が異なります。必ず製品表示に従ってください。刺激やかゆみが出た場合は中止し、判断に迷う時は薬剤師や皮膚科に相談しましょう。
Q. 妊娠中や子どもに使えますか?
A. 製品や年齢によって注意点が異なります。自己判断せず、製品表示を確認し、心配な場合は医師や薬剤師に相談してください。
参考文献
- DermNet. Seborrhoeic dermatitis. https://dermnetnz.org/topics/seborrhoeic-dermatitis
- Borda LJ, Wikramanayake TC. Seborrheic Dermatitis and Dandruff: A Comprehensive Review. J Clin Investig Dermatol. 2015. PMID: 27148560. PMC4852869
- Reeder NL, et al. Understanding the Mechanism of Action of the Anti-Dandruff Agent Zinc Pyrithione against Malassezia restricta. Sci Rep. 2018. PMID: 30108242. PMC6092343
本記事は、診療ガイドラインや公的医療機関・医学文献などの信頼できる情報源をもとに、脂漏性皮膚炎ナビ編集部が作成しています。個々の症状の診断・治療については医療機関にご相談ください。
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