グリチルリチン酸と脂漏性皮膚炎|成分の特徴と肌への一般的な位置づけ

かゆみ2025.09.30 公開 / 2026.07.01 更新

「グリチルリチン酸」は、化粧品や医薬部外品の成分表示でよく見かける名前です。脂漏性皮膚炎のセルフケアを調べていると、抗炎症に着目した成分として紹介されることがあり、「グリチルリチン酸 脂漏性皮膚炎」「グリチルリチン酸 肌」といった形で関心を持つ方が少なくありません。この記事では、グリチルリチン酸とは一般的にどのような成分なのか、どんな製品に使われるか、脂漏性皮膚炎のケアでどう位置づけて語られるか、そして使う際の一般的な注意点までを、できるだけ中立的に整理します。なお本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合は皮膚科などの医療機関にご相談ください。

まず知りたい3ポイント

1

甘草由来の成分

グリチルリチン酸は甘草(カンゾウ)の根に含まれる成分に由来し、化粧品・医薬部外品・医薬品などに用いられています。

成分の由来

2

抗炎症に着目した成分

肌の状態を健やかに保つことを目的とした処方の中で、抗炎症に着目した成分として配合されることがあります。

一般的な位置づけ

3

完治ではなくコントロール

成分そのものが脂漏性皮膚炎を治すものではなく、よい状態を保つこと(コントロール)を目標に向き合う考え方が現実的とされます。

ケアの考え方

1分でわかる要約

  • グリチルリチン酸は甘草由来の成分で、グリチルリチン酸2K・ジカリウムなど複数の名称で表示されることがあります。
  • スキンケア化粧品・洗顔料・シャンプー・薬用化粧品など幅広い製品に、目的に応じて配合されます。
  • 成分そのものが脂漏性皮膚炎を治すものではなく、症状が長引く・繰り返す場合は皮膚科で相談しましょう。

グリチルリチン酸とは(一般的な成分説明)

この章の要点

甘草(カンゾウ)の根に含まれる成分に由来する物質で、グリチルリチン酸ジカリウム(2K)やステアリルなど複数の名称があります。化粧品と医薬部外品で表示名称が異なる場合があり、表記ゆれに注目すると理解しやすくなります。

グリチルリチン酸は、マメ科の植物である甘草(カンゾウ、リコリス)の根に含まれる成分に由来する物質です。古くから食品や生薬の分野でも知られてきた素材で、現在は化粧品・医薬部外品・医薬品など、さまざまな製品に用いられています。

製品の成分表示では、用途や規格の違いから複数の名称で記載されることがあります。代表的なものとして、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)グリチルリチン酸ステアリルなどが挙げられます。これらは水へのなじみやすさ(水溶性/油溶性)などの性質が異なり、製品の処方に合わせて使い分けられているとされています。

名称が複数あるのはなぜか

同じ「グリチルリチン酸」由来でも、化粧品としての表示名称と、医薬部外品・医薬品としての表示名称が異なる場合があります。たとえば化粧品では「グリチルリチン酸2K」、医薬部外品では「グリチルリチン酸ジカリウム」と書かれることがあります。成分名が違って見えても、由来となる素材が共通しているケースがあるため、成分表示を確認する際は名称の表記ゆれにも目を向けると理解しやすくなります。

「抗炎症に着目した成分」とされる背景

グリチルリチン酸は、肌の状態を健やかに保つことを目的とした処方の中で、抗炎症に着目した成分として配合されることがあります。医薬部外品においては、肌あれ・あれ性などへのはたらきに関連して用いられる成分として位置づけられていますが、配合されているからといって特定の疾患に対する効果が保証されるわけではありません。実際にどのようなはたらきが期待できるかは、製品ごとの承認・表示の範囲によって異なります。

グリチルリチン酸はどんな製品に使われるか

この章の要点

スキンケア化粧品・洗顔料・シャンプーや頭皮ケア製品・薬用化粧品・口腔ケア製品など幅広く見かけます。同じ成分名でも製品カテゴリーによって配合量や目的、表示できる効能の範囲が異なる点に注意が必要です。

グリチルリチン酸(およびその関連成分)は、肌や頭皮に触れる幅広い製品で見かけることができます。代表的な製品カテゴリーを整理すると、おおよそ次のようになります。

  • スキンケア化粧品:化粧水・乳液・クリーム・美容液など。肌のコンディションを整える目的の処方で配合されることがあります。
  • 洗顔料・クレンジング:肌あれが気になる方向けの製品で見かけることがあります。
  • シャンプー・頭皮ケア製品:頭皮環境を健やかに保つことを目的とした処方で配合されることがあります。脂漏性皮膚炎のケアと関連して語られやすいカテゴリーです。
  • 医薬部外品(薬用化粧品):「薬用」と表示される製品で、有効成分の一つとして含まれることがあります。
  • 口腔ケア・その他:歯みがき剤やうがい薬など、肌以外の用途で用いられることもあります。

このように用途は多岐にわたりますが、同じ成分名でも製品カテゴリーによって配合量や目的が異なる点に注意が必要です。化粧品か医薬部外品か、どんな目的の製品かによって、表示できる効能の範囲も変わってきます。製品を選ぶ際は、成分名だけでなく、その製品全体の種類や表示内容を確認することが大切です。

脂漏性皮膚炎ケアでの位置づけ(一般論)

この章の要点

抗炎症に着目した成分の一つとしてセルフケア向け製品で取り上げられることがありますが、成分そのものが脂漏性皮膚炎を治す・改善するものではありません。日々のコンディションづくりの一部として位置づけられます。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位(頭皮・小鼻のわき・眉間・耳のうしろなど)に、赤みやフケ、かゆみなどがあらわれやすい状態として知られています。背景には皮脂の分泌や、皮膚に常在するマラセチアという真菌(カビの一種)の関与、体質、生活習慣など、複数の要因が関係していると考えられています。詳しくは脂漏性皮膚炎の原因の記事もあわせてご覧ください。

こうした背景のなかで、グリチルリチン酸は抗炎症に着目した成分の一つとして、セルフケア向けの製品で取り上げられることがあります。ただしここで強調しておきたいのは、グリチルリチン酸そのものが脂漏性皮膚炎を「治す」「改善する」といったものではないということです。あくまで、肌のコンディションを整えることを目的とした製品の処方の一部として配合される成分にすぎません。

抗炎症成分という大きな枠組みの中で

グリチルリチン酸は、肌あれが気になる場面で語られる「抗炎症成分」と呼ばれる成分群の一つとして紹介されることがあります。同じような文脈で名前が挙がる成分には、アラントインやカモミラエキスなどもあります。これらの成分の一般的な考え方については、抗炎症成分についての記事で整理していますので、成分の選び方を比較したい方は参考にしてください。

「完治」ではなく「コントロール」という考え方

脂漏性皮膚炎は、再発をくり返しやすい慢性的な状態として語られることが多く、一度のケアで完全に終わらせるというよりも、よい状態を保つこと(コントロール)を目標に向き合うのが現実的だと考えられています。スキンケア製品はその日々の土台づくりの一部であって、それ単独で根本的な解決をもたらすものではありません。症状が続く・くり返す場合の考え方については、脂漏性皮膚炎の治し方もご覧ください。

また、頭皮の症状が中心の場合は、洗い方や製品の使い方そのものも大きく関わってきます。頭皮ケアの一般的な考え方はシャンプーの選び方・使い方の記事で扱っています。

グリチルリチン酸を含む製品を使う際の一般的な注意

この章の要点

パッチテストの考え方を知る、異常を感じたら使用を中止する、こすりすぎ・洗いすぎを避ける、使用方法・用量を守る、持病や服用中の薬がある場合は相談するといった、一般的なスキンケア上の心がけが挙げられます。

グリチルリチン酸は比較的なじみのある成分ですが、どんな成分であっても肌に合うかどうかは人それぞれです。製品を使う際の一般的な注意点として、次のような点を意識しておくとよいでしょう。

  • パッチテストの考え方を知っておく:新しい製品を使い始める前に、目立たない部分で少量を試し、肌の様子を確認するという考え方があります。
  • 異常を感じたら使用を中止する:使用中に赤み・かゆみ・ひりつきなどがあらわれたり、悪化したりした場合は、使用を中止して肌を休ませることが一般的にすすめられています。
  • こすりすぎ・洗いすぎを避ける:成分の有無にかかわらず、過度な摩擦や洗浄は肌や頭皮の負担になりやすいと言われています。
  • 製品の使用方法・用量を守る:「たくさん使えばよい」というものではなく、各製品に記載された使い方に沿って使うことが基本です。
  • 持病・服用中の薬がある場合:体質や健康状態によっては注意が必要なこともあるため、不安がある場合は医療機関や薬剤師に相談すると安心です。

これらはあくまで一般的なスキンケア上の心がけであり、特定の症状に対する効果を保証するものではありません。

医療機関の受診を考えたいサイン

この章の要点

症状が長く続く・繰り返す、ジュクジュクした浸出液や強い痛みがある、セルフケアで改善せず悪化する、症状が広がる、別の状態か判断がつかないといった場合は、自己判断を続けず皮膚科などへの相談がすすめられます。

セルフケア向けの製品は、あくまで日々のコンディションづくりを目的としたものです。次のような場合は、自己判断で対処を続けるよりも、皮膚科などの医療機関への相談を検討することがすすめられます。

  • 赤み・かゆみ・フケなどの症状が長く続く、またはくり返す
  • ジュクジュクした浸出液、強い痛み、出血などがある
  • セルフケアを続けても症状が改善せず、むしろ悪化している
  • 顔や頭皮以外にも症状が広がってきた
  • 自分の症状が脂漏性皮膚炎なのか、別の状態なのか判断がつかない

自分の症状の傾向を整理したい場合は、脂漏性皮膚炎の症状チェックセルフチェックも参考になります。ただしこれらはあくまで情報整理の手がかりであり、医師による診断に代わるものではありません。脂漏性皮膚炎そのものの全体像を知りたい方は、脂漏性皮膚炎とはの記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. グリチルリチン酸を使えば脂漏性皮膚炎は治りますか?

A. グリチルリチン酸は抗炎症に着目した成分として製品に配合されることがありますが、それ自体が脂漏性皮膚炎を治す・改善することを意味するものではありません。脂漏性皮膚炎は複数の要因が関わる慢性的な状態とされ、診断・治療は医療機関で行うものです。気になる症状がある場合は皮膚科などにご相談ください。

Q. グリチルリチン酸2Kとグリチルリチン酸ジカリウムは違う成分ですか?

A. 表示名称が異なるだけで、由来となる素材が共通しているケースがあります。「グリチルリチン酸2K」は化粧品での表示、「グリチルリチン酸ジカリウム」は医薬部外品・医薬品での表示で見かけることが多い名称です。製品の種類によって表記が変わる点を知っておくと、成分表示を読み解きやすくなります。

Q. グリチルリチン酸は敏感肌でも使えますか?

A. 肌に合うかどうかは個人差があり、「敏感肌なら必ず使える/使えない」と一律には言えません。新しい製品を試す際は少量から様子を見る、異常を感じたら使用を中止するといった一般的な心がけが大切です。不安がある場合は医療機関や薬剤師に相談すると安心です。

Q. グリチルリチン酸はどんな製品に入っていますか?

A. 化粧水・乳液・クリームなどのスキンケア化粧品、洗顔料、シャンプーや頭皮ケア製品、薬用化粧品(医薬部外品)など、肌や頭皮に触れる幅広い製品で見かけることがあります。歯みがき剤などの口腔ケア製品に配合されることもあります。

Q. 配合されていれば配合量が多いほど良いのですか?

A. 成分は「多ければよい」というものではなく、製品全体の処方バランスのなかで配合量が設計されています。また製品の種類(化粧品か医薬部外品か)によって扱いも異なります。配合量だけで製品の良し悪しを判断するのは難しく、製品全体の表示や使い方を確認することが大切です。

Q. 市販の製品でケアを続けても症状が変わりません。どうすればよいですか?

A. セルフケアを続けても改善しない、あるいは悪化する場合は、自己判断を続けるよりも皮膚科などの医療機関に相談することをおすすめします。脂漏性皮膚炎は慢性的にくり返しやすい状態とされ、状態に応じた対応が必要になることがあります。

Q. この記事の情報だけで対処を判断してよいですか?

A. 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療の代替にはなりません。実際の症状への対処は、医師の診察や指示に基づいて判断してください。

Q. グリチルリチン酸と同じように語られる抗炎症成分にはどんなものがありますか?

A. 肌あれが気になる場面で語られる抗炎症成分群の一つとして、アラントインやカモミラエキスなどが同じような文脈で名前が挙がることがあります。これらは成分ごとに性質が異なり、配合の有無だけで効果が決まるものではありません。製品の表示・説明を確認のうえお選びください。

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