脂漏性皮膚炎はなぜ長引くのか?12,183人調査で見えた自己判断ケアの落とし穴

この記事の結論
  • 脂漏性皮膚炎は、フケ・かゆみ・赤み・ベタつきなどを伴うことがある頭皮トラブルです。
  • 自己判断で洗いすぎたり、刺激の強いケアを続けたりすると、症状が長引く一因になることがあります。
  • 12,183人を対象とした意識・行動調査からも、多くの人が皮膚科受診前に検索や自己判断ケアを行っている実態が見られます。
  • 症状が続く場合は、自己流のケアだけで判断せず、皮膚科で相談することが大切です。
この記事の要約

「フケが止まらない」「頭皮がかゆい」「シャンプーを変えても変わらない」——そんな頭皮トラブルの背景には、脂漏性皮膚炎が隠れていることがあります。本記事では、ワイズ製薬が実施した12,183人規模の生活者意識・行動調査の一次データをもとに、自己判断ケアの実態と「やってはいけないケア」を整理し、脂漏性皮膚炎の基礎、シャンプー選びの考え方、皮膚科に相談する目安までを、医療情報の観点からまとめます。商品を売るための記事ではなく、ご自身のケアを見直すための情報としてご活用ください。

「フケが止まらない」「頭皮がかゆい」「赤みやベタつきが気になる」「シャンプーを変えても改善しない」。こうした頭皮の悩みは、多くの人が一度は経験するものです。そして脂漏性皮膚炎のような頭皮トラブルでは、良かれと思った自己判断ケアが、かえって症状を長引かせてしまうことがあります。本記事では、独自調査のデータを手がかりに、その「落とし穴」を一緒に見ていきます。

1. 自己判断ケアは多数派診断経験者の80.2%が、受診前後に自己判断でのケアを経験していました。
2. 受診前に「検索」86.5%が受診前に情報を検索。情報源はSNSも多く、信用した人も多数。
3. 「悪化した」と感じた人もケア経験者の91.6%が、自己判断ケア後に「悪化」を自己申告(本人の主観的認識)。

12,183人調査で見えた頭皮トラブルの実態

まず、本記事が一次情報として用いる調査の概要です。インターネットモニターによる自己申告方式の調査であり、医学的な診断・評価ではない点に留意してご覧ください。

調査名
脂漏性皮膚炎に関する生活者意識・行動調査
調査手法
インターネットモニター調査(自己申告方式)
調査対象
全国の20〜69歳の男女
スクリーニング人数
12,183人
本調査対象(有効回答)
医療機関で「脂漏性皮膚炎」と診断された経験がある565人(うち自己判断ケア経験者453人)
調査期間
2025年11月15日〜2026年1月27日(報告日 2026年1月28日)
調査実施
株式会社DeCoA
調査主体
ワイズ製薬株式会社
主な設問
自己判断ケアの内容と経過、受診前の情報源・検索キーワード、情報の信用度、皮膚科での説明評価 ほか

調査から読み取れる主な結果

調査項目 結果 読み取れること
繰り返す皮膚症状を経験した人(スクリーニング) 5,527人 / 12,183人 頭皮・皮膚トラブルは多くの人に起きている
皮膚科受診前に情報を検索した人 86.5%
(489/565)
受診前に自己判断で情報収集する人が多い
自己判断でケアをした人 80.2%
(453/565)
受診前後に市販品・シャンプー変更などを試す傾向がある
自己判断ケア後に「悪化した」と感じた人 ※自己申告 91.6%
(415/453)
自己判断ケアと症状の長期化が併存しやすい傾向
受診前にSNSで調べた経験がある人 78.6%
(444/565)
SNSが受診前の主要な情報源になっている
皮膚症状があっても受診せず自己判断のままの人 20.3%
(1,121/5,527)
受診につながらないまま自己対処を続ける層がいる
データの読み方に関する注記:本調査はインターネットモニターによる自己申告調査であり、日本全体の人口構成を代表するものではありません。「悪化」「症状」に関する回答はすべて回答者本人の主観的な認識に基づく自己申告で、医学的な診断・評価ではなく、医学的な因果関係を直接証明するものでもありません。「自己判断ケアをした人ほど悪化しやすい」という相関的な傾向が見られても、それが因果関係を示すものではない点にご注意ください。調査の詳細は12,183人調査の詳細ページをご覧ください。

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に起こりやすい皮膚の炎症です。頭皮や髪の生え際、顔(とくに鼻のまわり・眉間)、耳のまわり、胸元などに出やすく、フケ(黄色っぽく脂っぽいことがある)、赤み、かゆみ、ベタつきなどがみられることがあります。

背景には、皮脂の状態、皮膚に常在するマラセチアという真菌、体質、生活習慣、ストレスなど、複数の要因が複雑に関わると考えられています。一つの原因で説明できるものではなく、また「フケ=脂漏性皮膚炎」と単純に結びつくものでもありません。診断は医師が行うものであり、似た症状を示す別の状態(乾燥によるフケ、アトピー性皮膚炎、乾癬など)との見分けには専門的な確認が必要です。症状が続く場合は、皮膚科で相談することが重要です。脂漏性皮膚炎の全体像は脂漏性皮膚炎とは、背景要因は脂漏性皮膚炎の原因・対策で詳しく解説しています。

自己判断ケアでやりがちなこと

今回の調査では、診断経験者が実際に行っていた自己判断ケアの内容も集計されています。次のチェックリストで、心当たりがないか振り返ってみてください。複数当てはまる場合は、ケアの見直しを考えるサインかもしれません。

  • 洗浄力の強いシャンプーに変える / 洗浄を強めた(調査では20.7%が「洗浄を強めた」と回答)
  • 皮脂・油分を落とすことを優先したケアをする(24.8%)
  • 1日に何度も洗う・洗いすぎる
  • 熱いお湯ですすぐ
  • かゆい部分を強くこする / 爪を立ててフケを落とそうとする
  • 市販の薬・治療薬を自己判断で使う(24.4%)
  • 「菌対策」を目的にしたケアを自己判断で行う(23.7%)
  • 角質ケア・ピーリングで刺激を加える(20.5%)
  • 体験談・SNSの方法をそのまま真似する(16.5%)
  • 合わないと感じても使い続ける/すぐ別の商品に変える

※カッコ内の数値は本調査(脂漏性皮膚炎の診断経験がある565人ベース・複数回答)の回答率です。

なぜ自己判断ケアで悪化・長期化することがあるのか

良かれと思ったケアが裏目に出ることがあるのは、頭皮の仕組みと関係しています。一般的に指摘される理由を整理します。

  • 洗いすぎによるバリア機能の乱れ:必要な皮脂まで落とすと、頭皮を守るバリアがゆらぎ、刺激を受けやすくなることがあります。
  • 皮脂の取りすぎと乾燥の悪循環:皮脂を奪いすぎると、かえって皮脂が過剰に分泌されたり、乾燥が進んだりする悪循環につながることがあります。
  • すすぎ残しによる刺激:洗浄成分が頭皮に残ると、かゆみや赤みの一因になることがあります。
  • 炎症がある状態での摩擦:赤みやかゆみがあるところを強くこすると、症状を長引かせやすいとされています。
  • 合わない成分を使い続けるリスク:刺激を感じる製品を我慢して使い続けると、負担が積み重なることがあります。
  • 自分では見分けにくい:脂漏性皮膚炎か、乾燥性のフケか、別の状態かは見た目が似ることがあり、自己判断が難しい領域です。

避けたい習慣の具体例は脂漏性皮膚炎で避けたいNG習慣、誤ケアが起こる構造は誤ケアとはでも整理しています。

脂漏性皮膚炎が疑われるときに見直したいこと

「治す」ことを目指す前に、まずは刺激を減らし、頭皮環境を整える視点でケアを見直すことが、現実的な第一歩になります。

  • 症状が続く場合は、自己判断で放置せず皮膚科で相談する
  • 症状の経過(いつから・どこに・どの程度か)をメモしておく
  • 使用しているシャンプー・整髪料・市販薬を記録しておく
  • 洗いすぎない(1日1回程度を目安に、やさしく洗う)
  • 熱いお湯を避け、ぬるめのお湯ですすぐ
  • こすらない・爪を立てない
  • すすぎ残しを避け、ていねいに洗い流す
  • 頭皮に刺激を感じるものは一度見直す

症状を記録する考え方は症状スコア・VASの付け方も参考になります。

シャンプー選びで確認したいポイント

シャンプーは「これを使えば解決」というものではなく、頭皮環境を整える日々のケアの選択肢の一つです。商品名で選ぶ前に、次の視点で確認すると、見直しの参考になります。

  • 洗浄力が強すぎないか(皮脂を取りすぎないか)
  • 頭皮ケアを想定した処方か
  • フケ・かゆみが気になる人向けの有効成分が配合されているか(医薬部外品など)
  • 抗炎症に着目した成分の有無
  • 香料や刺激感が強すぎないか
  • 毎日無理なく続けられる使用感か
  • 症状が強い場合は、シャンプーだけで判断しない

成分の考え方は脂漏性皮膚炎とシャンプーの選び方、市販薬の位置づけは脂漏性皮膚炎と市販薬(OTC)もあわせてご覧ください。なお、頭皮ケア製品の使い方を考える参考として、脂漏性皮膚炎様の頭皮悩みに対する使用評価レポートのような研究・使用評価の読み方を知っておくと、情報に振り回されにくくなります。

よくある質問(FAQ)

脂漏性皮膚炎は自然に治りますか?
脂漏性皮膚炎は、良くなったり繰り返したりしやすい慢性的な経過をたどることがあると言われています。自然に落ち着くこともありますが、症状が続く・繰り返す場合は、自己判断で様子を見続けず、皮膚科で相談することが大切です。
フケだけでも脂漏性皮膚炎の可能性はありますか?
フケは乾燥や洗い方など、さまざまな要因でも増えます。フケがあるからといって必ず脂漏性皮膚炎とは限りませんが、赤みやかゆみ、脂っぽいフケを伴う場合などは可能性の一つとして考えられます。見分けは難しいため、気になる場合は医療機関で確認してください。
脂漏性皮膚炎に市販シャンプーは使えますか?
市販のシャンプーは日々のセルフケアの選択肢の一つです。ただし、洗浄力が強すぎないか、頭皮にやさしいかなどを確認し、刺激を感じたら使用を見直すことが大切です。症状が強い場合はシャンプーだけで判断せず、皮膚科に相談してください。
脂漏性皮膚炎でやってはいけないことはありますか?
一般に、洗いすぎ・こすりすぎ・熱いお湯・爪を立てる・合わないものを使い続ける、といったケアは頭皮の負担になりやすいとされています。良かれと思ったケアがかえって刺激になることもあるため、刺激を避けることが大切です。
皮膚科に行く目安は?
フケ・かゆみ・赤みなどが2週間以上続く、市販のケアで変化がない・悪化している、範囲が広がっている、日常生活に支障が出ている、といった場合は受診の目安です。自己判断で放置せず専門家に相談してください。
シャンプーは毎日してもいいですか?
一般的には1日1回程度のやさしい洗髪が目安とされることが多いですが、洗いすぎも頭皮の負担になり得ます。適度な頻度・やさしい洗い方を心がけ、自分に合う方法は症状や頭皮の状態に応じて判断してください。
頭皮がかゆいときに保湿してもいいですか?
乾燥が背景にある場合、保湿が頭皮環境を整える助けになることがあります。一方で、合わないものを重ねるとかえって刺激になることもあります。使い方や症状に応じて判断し、刺激を感じる場合は見直してください。
脂漏性皮膚炎と乾燥フケの違いは何ですか?
一般に、脂漏性皮膚炎では脂っぽい黄色がかったフケや赤みを伴いやすいとされ、乾燥によるフケは白く細かい傾向があると言われます。ただし見た目が似ることもあり、自分では判断しにくいため、確定は医師に委ねることが大切です。

まとめ

  • フケ・かゆみ・赤み・ベタつきは、多くの人が経験する頭皮トラブルです。
  • しかし、自己判断ケアが症状の長期化の一因になることもあります(12,183人調査でも、受診前の検索・自己判断ケアが多数派でした)。
  • 脂漏性皮膚炎が疑われる場合は、症状に合ったケアと皮膚科への相談が重要です。
  • まずは、洗いすぎ・こすりすぎ・刺激の強いケアを見直しましょう。
  • 正しい情報をもとに、頭皮環境を整えることが大切です。

この調査データから生まれた解説記事

12,183人調査の各テーマ(SNS情報・受診の先送り・診察のコツ・検索リテラシー・自己判断ケアの内訳・年代別)を、それぞれ詳しく解説しています。

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📰 掲載リリース

この調査の掲載メディア実績

本調査「脂漏性皮膚炎に関する生活者意識・行動調査(12,183人調査)」のプレスリリースは、全25件のメディアに掲載されました(2026年4月15日配信)。TBS NEWS DIG、FNNプライムオンライン、東洋経済オンライン、毎日新聞デジタル、ORICON NEWSなど、主な掲載先は以下のとおりです。

掲載メディア一覧をすべて見る(全25媒体)

本調査の結果は、プレスリリースとして配信されています。
【全国12,183人調査】脂漏性皮膚炎で自己判断ケア経験者の91.6%が悪化を経験──ワイズ製薬、「誤ケア」の実態を可視化(PR TIMES)

出典・参考
「脂漏性皮膚炎に関する生活者意識・行動調査」調査主体:ワイズ製薬株式会社/調査実施:株式会社DeCoA/インターネットモニター調査(自己申告方式)/スクリーニング12,183人・本調査565人/調査期間:2025年11月15日〜2026年1月27日(報告日2026年1月28日)。調査の詳細・クロス集計は12,183人調査ページを参照。
※薬剤師ブログ(外部):https://www.kadason.jp/blog/
更新日:2026年6月15日 / ※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断・治療・予防や、特定製品の効果効能を保証するものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず皮膚科などの医療機関にご相談ください。


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