脂漏性皮膚炎と頭皮マッサージの関係性

この記事の監修者

久保木彰一

久保木彰一

ワイズ製薬株式会社  薬剤師

昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。

頭皮マッサージは脂漏性皮膚炎に効果があるのか?

頭皮マッサージは
脂漏性皮膚炎に効果があるのか?

頭皮マッサージには、頭皮の血行を促進する作用があります。血流が良くなることで、皮膚の代謝やターンオーバーが整い、炎症の回復を助けることが期待されます。

また、ストレスの軽減にもつながり、自律神経のバランスを整える効果も報告されています。これらの作用により、間接的ではありますが、頭皮環境の改善に貢献する可能性があります。

頭皮マッサージは頭皮環境の改善に期待が持てますが、やり方を誤ると、かえって炎症を悪化させるリスクがあります。

特に、炎症やかゆみが強く出ている部分を強く押したり、爪で掻くようにマッサージしたりする行為は、皮膚を傷つけ、症状を悪化させてしまう可能性があるため、あくまで補助的なケア方法だと考えておきましょう。

脂漏性皮膚炎なら入浴後に
マッサージするのがおすすめ

脂漏性皮膚炎なら入浴後にマッサージするのがおすすめ

脂漏性皮膚炎の方が頭皮マッサージを行う際には、やさしい指圧を意識することが大切です。

力を入れすぎず、指の腹を使って円を描くように頭皮をやさしく押しほぐします。1回のマッサージ時間は5分程度を目安にし、1日1回、入浴後やシャンプー後の清潔な状態で行うのが理想です。

強くこすったり長時間行ったりすると、逆に炎症を悪化させるおそれがあるため、リラックスできる強さと時間を心がけましょう。

マッサージ以外に見直すべき習慣

脂漏性皮膚炎の改善には、頭皮マッサージだけでなく、日常生活の習慣を整えることも重要です。以下のような改善へのアプローチも並行して行いましょう。

適度な運動

週3回程度の軽い有酸素運動がおすすめ。ウォーキングから始め、徐々に強度を上げていきます。注意点としては、運動後は必ず直ぐにシャワーで汗を流し、清潔な皮膚環境を保つことが大切です。

食生活の改善

食生活を見直しましょう。特に亜鉛や大豆男性ホルモンの作用を抑える働きがあります。ただし、過剰摂取は逆効果なので、バランスよく摂取しましょう。

睡眠の質向上

規則正しい睡眠リズムを心がけ、寝室環境を整えます。寝る前のスマホは控え、短時間の昼寝も効果的。良質な睡眠は免疫力を高め、ストレス軽減にもつながります。

医療機関を頼る

医療機関で処方される抗真菌薬やステロイド外用薬を使用し、原因菌の増殖抑制と炎症の鎮静を図ります。症状や部位に応じて医師が適切な薬剤を選択。長期使用の場合は副作用に注意が必要です。

日常生活の見直しも重要ですが、一番初めに試してみてほしいのはスキンケア商品の見直しです。どれだけ他の要因をケアしても、スキンケア商品の成分で台無しになっていることもあるので、どのような成分が良いかを次項で解説していきますね。

おすすめの成分と避けてほしい成分

ミコゾナール硝酸塩

ミコナゾール硝酸塩は抗真菌薬で、脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑制します。医薬部外品シャンプーに配合される場合、有効成分として菌の細胞膜を破壊し、症状の改善に寄与します。

サリチル酸

サリチル酸は、角質軟化作用とピーリング効果により脂漏性皮膚炎の症状改善に寄与します。過剰な皮脂・角質やフケを除去することで、マラセチア菌の増殖を抑制し、余分な油分も洗い流せるため炎症を軽減する効果が期待できます。

グリチルリチ酸

グリチルリチン酸は、抗炎症作用を持つ成分です。脂漏性皮膚炎の症状である赤みやかゆみを抑制し、無意識で頭皮を掻くなどの刺激を減らす効果が期待できます。

パラペン

パラベンは防腐剤として使用されますが、脂漏性皮膚炎では皮膚バリア機能が低下しているため刺激となる可能性があります。アレルギー反応や皮膚常在菌バランスへの影響も懸念されるため、症状悪化時はパラベンフリー製品の使用をお勧めします。

アルコール類

アルコールは、頭皮の水分蒸発を促進して乾燥を悪化させます。特にエタノールやイソプロパノールなどの揮発性アルコールは、皮膚の脂質を溶解し、炎症やかゆみを増強させる可能性があるため、症状のある方は低アルコールまたはアルコールフリーの製品を選択することが望ましいです。

油分

脂漏性皮膚炎は皮脂が多く出ている状態なので、シャンプーに含まれる油分は原因菌であるマラセチア菌の更なる増殖を促進し、炎症を悪化させる可能性があります。そのため、低刺激でオイルフリーなシャンプー選択が重要です。

まとめ

脂漏性皮膚炎に対する頭皮マッサージは、正しい方法で行えば血行を促進し、頭皮環境の改善に役立つ可能性があります。

しかし、やり方を誤れば症状を悪化させることもあるため、「適度な刺激」と「清潔な環境」が非常に重要です。

また、マッサージだけに頼らず、シャンプー選びや食生活の見直し、ストレス管理など、総合的なケアを行うことで症状の改善につながります。継続的に正しい方法を実践することで、頭皮の状態を良好に保ちやすくなります。