脂漏性皮膚炎とシャンプーの関係性

シャンプーは、この脂漏性皮膚炎の対策において重要な役割を果たします。

特に、薬用シャンプー(医薬部外品)には、マラセチア菌の増殖を抑制したり、フケやかゆみの原因となる角質を洗い流したりする成分(ケトコナゾール、ピロクトンオラミン、サリチル酸など)が配合されており、これらの症状を抑える効果が期待できます。

まだ薬用シャンプーを利用していないのであれば、いくつか自分に合う製品が見つかるまで試してみることをおすすめします。

どのようなシャンプーが良いか

ミコゾナール硝酸塩

ミコナゾール硝酸塩は抗真菌薬で、脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑制します。医薬部外品シャンプーに配合される場合、有効成分として菌の細胞膜を破壊し、症状の改善に寄与します。

サリチル酸

サリチル酸は、角質軟化作用とピーリング効果により脂漏性皮膚炎の症状改善に寄与します。過剰な皮脂・角質やフケを除去することで、マラセチア菌の増殖を抑制し、余分な油分も洗い流せるため炎症を軽減する効果が期待できます。

グリチルリチ酸

グリチルリチン酸は、抗炎症作用を持つ成分です。脂漏性皮膚炎の症状である赤みやかゆみを抑制し、無意識で頭皮を掻くなどの刺激を減らす効果が期待できます。

抗菌(抗真菌)作用+抗炎症作用がある薬用シャンプーだと、原因菌のマラセチア菌にもアプローチでき、かゆみも収まるので、「かゆくて夜寝れない」「作業に集中できない」という人におすすめなので、薬用シャンプーの成分も必ずチェックしておきましょう。

市販されているシャンプーの多くは石油系界面活性剤が利用されており、この石油系界面活性剤などが含まれるものは洗浄力が強すぎるシャンプーに分類でき、頭皮に必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまう可能性があります。

これにより、頭皮のバリア機能が低下して乾燥しやすくなったり、失われた皮脂を補おうとして皮脂の過剰分泌を招いてしまうなど、実はシャンプーが遠因となって脂漏性皮膚炎を発症してしまう場合もあるため、注意が必要です。

パラペン

パラベンは防腐剤として使用されますが、脂漏性皮膚炎では皮膚バリア機能が低下しているため刺激となる可能性があります。アレルギー反応や皮膚常在菌バランスへの影響も懸念されるため、症状悪化時はパラベンフリー製品の使用をお勧めします。

アルコール類

アルコールは、頭皮の水分蒸発を促進して乾燥を悪化させます。特にエタノールやイソプロパノールなどの揮発性アルコールは、皮膚の脂質を溶解し、炎症やかゆみを増強させる可能性があるため、症状のある方は低アルコールまたはアルコールフリーの製品を選択することが望ましいです。

油分

脂漏性皮膚炎は皮脂が多く出ている状態なので、シャンプーに含まれる油分は原因菌であるマラセチア菌の更なる増殖を促進し、炎症を悪化させる可能性があります。そのため、低刺激でオイルフリーなシャンプー選択が重要です。

シャンプーのおすすめな使い方

シャンプーを変えても、しっかりと洗えていないなど間違った使い方をしてしまうと改善が見られないこともあります。以下でおすすめの洗い方について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

優しく洗う

頭皮にダメージを与えないように洗うことが大切です。効果的な洗い方として、マッサージするように頭頂部から襟足に向かって縦に洗い、次に左右の耳の上から反対側に向かって横に洗う方法で優しくかつ洗い残しを最小限に抑えることができます。
反対に強くこすり洗いをすると、摩擦や洗浄成分の刺激によって頭皮に炎症を引き起こす可能性があります。必要な皮脂まで過剰に洗い流して頭皮のバリア機能を低下させ、かえって皮脂の過剰分泌や刺激への過敏さを招くことがあります。ゴシゴシ洗うのは逆効果となりうる行為です。

しっかりすすぐ

シャンプーの洗い残しやすすぎ残しは、頭皮への刺激となったり、皮脂や汚れの蓄積につながったりして、脂漏性皮膚炎の遠因となる可能性があります。また皮脂や汚れが過剰に残ると、臭いやべたつきの原因にもなります。特に耳の上や側頭部など、シャンプーが行き渡りにくい場所は洗い残しが起こりやすいので要注意です。すすぎは38℃程度のぬるま湯で頭皮全体をシャワーでしっかりと行い、最低3分以上行いましょう。

乾燥も抜かりなく

洗髪が終わった後は、頭皮と髪をしっかりと乾かすことが非常に大切です。頭皮や髪が濡れた状態が長く続くと、高湿度になり、皮脂と水分が混ざり合ってマラセチア菌にとって最適な増殖環境となってしまいます。特に髪の毛がある頭皮は自然乾燥では乾きにくいため、ドライヤーを使って根元や頭皮からしっかり乾かすように努めることが、マラセチア菌の増殖を防ぐ上で重要です。タオルで拭く際も、強くこすらず優しく押さえるように水分を取ると良いでしょう。

それでも改善しない場合の対処法

それでも改善しない場合の
対処法

前述した通り、男性ホルモンの影響を完全になくすことはできませんが、以下の方法で症状を緩和することは可能です。

適度な運動

週3回程度の軽い有酸素運動がおすすめ。ウォーキングから始め、徐々に強度を上げていきます。注意点としては、運動後は必ず直ぐにシャワーで汗を流し、清潔な皮膚環境を保つことが大切です。

食生活の改善

食生活を見直しましょう。特に亜鉛や大豆男性ホルモンの作用を抑える働きがあります。ただし、過剰摂取は逆効果なので、バランスよく摂取しましょう。

睡眠の質向上

規則正しい睡眠リズムを心がけ、寝室環境を整えます。寝る前のスマホは控え、短時間の昼寝も効果的。良質な睡眠は免疫力を高め、ストレス軽減にもつながります。

医療機関を頼る

医療機関で処方される抗真菌薬やステロイド外用薬を使用し、原因菌の増殖抑制と炎症の鎮静を図ります。症状や部位に応じて医師が適切な薬剤を選択。長期使用の場合は副作用に注意が必要です。

日常生活の見直しも重要ですが、一番初めに試してみてほしいのはシャンプーの見直しです。どれだけ他の要因をケアしても、シャンプーの成分で台無しになっていることもあるので、上記で紹介した成分が入っている商品を探してみてください。