脂漏性皮膚炎と湯シャンプーの関係性

湯シャンプーとは、シャンプー剤を使わずに、お湯だけで髪と頭皮を洗う方法です。

「肌にやさしい」「脱・化学物質」として支持される一方、洗浄力には限界があります。

イメージするなら、“洗剤を使わずに油のついた皿をお湯だけで洗う”のと似ています。きれいに見えても、油分は落ち切っていないことが多いため注意が必要です。

湯シャンと脂漏性皮膚炎、その相性は「悪い」

前述した通り、湯シャンプーは軽い汚れであれば、皮脂の落としすぎなど肌トラブルを防ぐことができますが、脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰分泌を発端とした皮膚炎であるため、相性は悪いと言えます。以下に抑えておきたいポイントを解説しているので、ぜひ確認してみてください。

お湯だけでは皮脂を取りきれない

湯シャンは基本的に40℃以下のぬるま湯で行われますが、皮脂は水やぬるま湯には溶けにくい性質があります。特に思春期以降の成人では皮脂の分泌量が多く、油分が酸化してこびりついてしまうと、お湯だけでは十分に除去できません。

掃除されていない換気扇状態に

皮脂に加えて古い角質(角化物)や汗、整髪料などが頭皮に蓄積すると、頭皮はまるで「掃除されていないキッチンの換気扇」のような状態になります。見た目には清潔に見えても、内部では菌やカビが活性化しやすく、悪臭や炎症の原因になりかねません。

湯シャンをしても悪化しない人がいるのはなぜ?

ネット上には「湯シャンで頭皮が改善した」「ふけが減った」という声も散見されます。
これは個人差や生活環境の違いによるものであり、すべての人に当てはまるわけではありません。

以下の特徴を持つ人は、比較的悪化しない可能性が高いです。

悪化しづらい人

●皮脂分泌がもともと少ない人

●汗をかかない季節に実践している人

●食生活やストレス管理ができている人

健康な人が“予防的に”湯シャンを試すのと、皮膚炎がある人が“治療目的で”湯シャンをするのは全く別物です。

まとめ

脂漏性皮膚炎の治療は、皮脂とマラセチア菌のコントロールが鍵です。
しかし湯シャンでは、菌の抑制も、皮脂の除去も十分にできないため、治療とは逆方向に進んでしまうリスクがあります。

中には「湯シャンで悪化→皮膚科を受診→薬用シャンプーで改善」というケースも多く、自己判断での実施は推奨しづらいため、医師と相談の上で慎重な判断をおすすめします。