ステロイドと脂漏性皮膚炎の関係性

そもそもステロイドとは

ステロイドは、脂漏性皮膚炎のような皮膚疾患に伴う炎症やかゆみ、赤み、湿疹といった症状に対して使用される外用薬の一つです。

ステロイドには、炎症を強力に抑える効果が期待でき、炎症を引き起こす物質の生成を抑制することで、赤みやかゆみ、腫れといった症状を短期間で和らげることができるとされています。市販薬としても、かゆみに対する効果が認められており、医師による処方薬としても使われています。症状が強い場合には、医師の判断のもと、適切な強さのステロイド薬が処方されることがあります。 ステロイドの強さについては以下を参照ください。

ステロイドの強さ

ステロイドだと脂漏性皮膚炎は完治しない?

ステロイドは、炎症という症状を抑える役割を果たしますが、炎症を引き起こしている根本的な原因、例えば脂漏性皮膚炎の主な原因とされるマラセチア菌の過剰な増殖や皮脂の過剰分泌などを治してくれるわけではありません。

また、ステロイドをある程度の期間使用し続けた後に自己判断で急に使用を中止すると、薬によって抑えられていた炎症が強くぶり返してしまう(リバウンド)可能性がありより症状が悪化する可能性もあります。

ステロイドから「卒業」するためには、ステロイドを使用しつつ、並行して根本原因の治療を行うことが大切だとされています。

ステロイドを使用する目安

「かゆくて夜寝付けない。」「炎症部位から血が滲んでいる」「湿疹の赤みが強い」など私生活に支障が出ている場合は、医師と相談の元、使用してみてください。

また使用は自己判断で辞めずに医師と治療スケジュールを立てて、計画に利用することを推奨します。

根本的な治療を行うには?

ステロイドで症状を抑えつつ、脂漏性皮膚の原因に対してのアプローチも必要になります。
脂漏性皮膚炎は複合的に原因が存在する皮膚炎であるため、以下で紹介するアプローチを試してみましょう。

適度な運動

週3回程度の軽い有酸素運動がおすすめ。ウォーキングから始め、徐々に強度を上げていきます。注意点としては、運動後は必ず直ぐにシャワーで汗を流し、清潔な皮膚環境を保つことが大切です。

食生活の改善

食生活を見直しましょう。特に亜鉛や大豆男性ホルモンの作用を抑える働きがあります。ただし、過剰摂取は逆効果なので、バランスよく摂取しましょう。

睡眠の質向上

規則正しい睡眠リズムを心がけ、寝室環境を整えます。寝る前のスマホは控え、短時間の昼寝も効果的。良質な睡眠は免疫力を高め、ストレス軽減にもつながります。

医療機関を頼る

医療機関で処方される抗真菌薬やステロイド外用薬を使用し、原因菌の増殖抑制と炎症の鎮静を図ります。症状や部位に応じて医師が適切な薬剤を選択。長期使用の場合は副作用に注意が必要です。

日常生活の見直しも重要ですが、一番初めに試してみてほしいのはスキンケア商品の見直しです。どれだけ他の要因をケアしても、スキンケア商品の成分で台無しになっていることもあるので、どのような成分が良いかを次項で解説していきますね。

おすすめの成分と避けてほしい成分

ミコゾナール硝酸塩

ミコナゾール硝酸塩は抗真菌薬で、脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑制します。医薬部外品シャンプーに配合される場合、有効成分として菌の細胞膜を破壊し、症状の改善に寄与します。

サリチル酸

サリチル酸は、角質軟化作用とピーリング効果により脂漏性皮膚炎の症状改善に寄与します。過剰な皮脂・角質やフケを除去することで、マラセチア菌の増殖を抑制し、余分な油分も洗い流せるため炎症を軽減する効果が期待できます。

グリチルリチ酸

グリチルリチン酸は、抗炎症作用を持つ成分です。脂漏性皮膚炎の症状である赤みやかゆみを抑制し、無意識で頭皮を掻くなどの刺激を減らす効果が期待できます。

パラペン

パラベンは防腐剤として使用されますが、脂漏性皮膚炎では皮膚バリア機能が低下しているため刺激となる可能性があります。アレルギー反応や皮膚常在菌バランスへの影響も懸念されるため、症状悪化時はパラベンフリー製品の使用をお勧めします。

アルコール類

アルコールは、頭皮の水分蒸発を促進して乾燥を悪化させます。特にエタノールやイソプロパノールなどの揮発性アルコールは、皮膚の脂質を溶解し、炎症やかゆみを増強させる可能性があるため、症状のある方は低アルコールまたはアルコールフリーの製品を選択することが望ましいです。

油分

脂漏性皮膚炎は皮脂が多く出ている状態なので、シャンプーに含まれる油分は原因菌であるマラセチア菌の更なる増殖を促進し、炎症を悪化させる可能性があります。そのため、低刺激でオイルフリーなシャンプー選択が重要です。

まとめ

脂漏性皮膚炎は、体質が大きく関わっているため完治までに時間がかかることがありますが、適切な対処をすることで大幅に症状を抑えられる可能性があります。

対処法としては、ステロイド系の塗り薬や薬用シャンプーといった症状を抑える方法(対処療法)と、生活習慣の改善(食事内容、睡眠時間、ストレス管理など)といった根本原因に働きかける方法(根本治療)の二軸で継続的に行うことが重要です。特に生活習慣の改善は、皮脂の分泌量を減らすことにつながり、マラセチア菌の栄養源を断つという意味で重要です。

したがって、ステロイドは脂漏性皮膚炎のつらい症状を和らげる強力なツールですが、それ単独で病気を完治させるものではありません。脂漏性皮膚炎の改善や再発防止のためには、ステロイドによる症状緩和と並行して、マラセチア菌の増殖を抑えるケアや皮脂分泌をコントロールするための生活習慣の見直しなど、根本原因にアプローチする対策が必要になります。症状が重い場合や長期間改善しない場合は、必ず皮膚科専門医の診察を受け、適切な治療法について相談することが推奨いたします。